技術紹介
すきすぎて(セニングしすぎて)髪がまとまらないケースは多いです。
でもそういったケースに限って、
そもそものベースのコントロールがずれていることがほとんどです。
望むような髪型にならないのは本当に髪質・骨格のせいなのでしょうか?
そして、なぜすきすぎるとまとまらないのか
をひもとく前に
ある程度のカットの法則がわからないといけませんので
順におって説明します。
カットはGとL,リフティングとオーバーダイレクションという基本原理がとても大切です。
この組み合わせでさまざな形が出来上がります。
非常にシンプルですよね。
まずはグラデーションの原理からです。
次からはこのグラデーションを「G」とします。
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Gの特長は
・段差が小さい
・ボリュームがでる、丸み、重み
・動きにくい
・ウエイトがある
・骨格に対して上が長く、下が短い
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次はレイヤーです。次からは「L」とします。
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Lの特長は
・軽い、動きがでる
・フラットで縦長なシルエット
・骨格に対して上が短く、下が長い
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リフティングはパネルの上下のコントロール、オーバーダイレクション(O/D)はパネルの前後のコントロールです。
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一般的にグラデーションというとさきほどのGのスタイルのように
このようなスタイルを連想されると思いますが
展開図を見てみると
少しわかりづらいかもしれませんが
パネルにはGとLが入り乱れてます。
つまりグラデーションとかレイヤーとはスタイルではなく
本来は原理のことを指します。
次は動きについて見てみましょう。
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まずはGベースでカットされているスタイルです。
スタイリングして動きをつけます。
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顔周りの段差がないところは動きづらく、バックの段差の分だけ動きがでます。
次はLベースです。
スタイリングすると
Gベースに比べて動きがダイナミックにでています。
このようにベースカットは髪型(FORM=フォルム)という形だけではなく、
髪の動き、おさまりにも影響しているのです。
L=軽さ=動き
G=重さ=まとまり
ですので
たくさん髪をすいたり、軽くする(セニングする)ということは
動きがよりでやすくなり
まとまりというスタイルではなくなってしまうのです。
逆をいえば
動きをつけたいのにベースが重かったら動きは当然つきづらいということですね。
じゃあ、すかない方がいいデザインなのかってなると
これも違いますよね。
毛量が多い方、左右の髪の量、クセの違い、ディテールなど
ベースのコントロールだけではつくれないヘアデザインがほとんどです。
そのためにセニングが必要なのです。
そのセニングを生かすためにもまずはベースのカットが重要なのです。
だってもともとふくらむようにベースがカットされていたら
どんなにセニングしてもふくらむ原理は変わらないですよね。
まとまりがわるいベースにさらにセニングしたら、もっとまとまらなくなりますよね?
カットした時はいいけど
すぐ髪が膨らむって方がいましたら、ベースが膨らむベースになっている可能性があります。
これはすぐに確認できます。
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頭という球体を縦にこのように3分割すると
一番上の分割部分はフォルムの大きさを決めるゾーン(場所)になります。
もうお解りですよね。
髪をパネルで引っ張ってみると、
Gで切られているか、Lで切られているか確認ができます。
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パネルを引き出してみて、骨格に対して上(A)が長く、下(B)が短い、G状でカットされているか
骨格に対して上(A)が短かく、下(B)が長いL状でカットどちらでしたか?
もしG状でカットされているならGの特長からボリュームのあるシルエットになりやすいので
ふくらみやすいベースカットということです。
年配のショートスタイルにはそのほうがいい場合もありますね。
そのあとはパネルのあつみに注目してみてください。
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このようにバーコードみたいにすかれて(セニングされて)いると思います。
カットしてもすぐ膨らむ方はこのように表面(A)側の方があつみがあります。
これ何かに似ていると思いませんか?
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そうです。
ベースの形(フォルムコントロール)のGの構造です。
もうわかりますよね。
セニング(すく、軽くする)にもGとLの原理が関係しているのです。
カットにおいていかにこのGとLの法則が重要なのか理解して頂けたかと思います。
そして本来セニングは軽くするだけが目的ではありません。
セニングにはベースでつくったフォルム(形)に大きな影響を与えるのです。
セニングすることで形(フォルム)そのものを変化させたり、
束感のような質感調節などの役割ももっています。
ただ軽くすることがセニング(すくこと)ではないセニングの法則。
どのようににカットされているかが髪のまとまりや
見た目のツヤ感にも大きく影響しているのかを説明します。
そのセニングの法則はまた次の機会に!
浦和の美容室エナ
すべては上質のために…進化する縮毛矯正,デジタルパーマ,カラーでお手入れしやすいヘアデザインを心がけています。
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