むかしむかし、あるところに、髪がふさふさで頭皮もつやつやのおじいさんと、普通に見えるが実はたいそうな物知りなおばあさんが住んでおったそうじゃ。おじいさんは若いころから、立派な髪の毛を自慢にしており、村の者たちからも「おじいさんの髪はいつ見ても元気じゃなあ!」と褒められるほどじゃった。
ところが、ある年の冬、おじいさんは何やら困った顔をしていたんじゃ。冷たい風が吹く季節になると、どうも頭皮が乾燥してかゆくなるようで、さらにはフケまでちらほら出てくるではないか。おじいさんは毎日頭をかきむしり、「どうしてこんなことになったんじゃ?」と頭を抱えておった。
村の人々にも相談したが、みんな同じように冬になると頭皮のトラブルに悩んでいるらしい。おじいさんは「どうすればこの厄介な頭皮の悩みを解決できるんじゃろうか?」と、考え込んでしまった。
冬のトラブルを引き起こす悪者たち
冬の寒い季節になると、頭皮に住みつく悪者たちがこっそりと現れるんじゃ。その名も「乾燥鬼」、そしてその手下の「フケ妖怪」と「かゆみの小僧」。おじいさんは気づかぬうちに、彼らの罠にかかっていたんじゃ。
まず最初に現れたのは乾燥鬼。冷たい風を吹きつけ、頭皮から大切な水分を奪い去ってしまうのじゃ。おじいさんの頭皮はますます乾燥し、かゆみがひどくなっていく。乾燥鬼は「フハハ!この乾燥でお前の頭皮はボロボロになるんじゃ!」と笑いながら、村中の人々の頭皮にも悪さをしておった。
そして、フケ妖怪がやってきた。乾燥して弱った頭皮からは、ポロポロとフケが出てくるようになり、おじいさんはそのフケにますます困り果てた。「おやおや、髪の毛から白い雪のようなものが出ておるぞ」と村の子供たちが囁くほどに、フケが目立つようになったんじゃ。フケ妖怪は「お前の頭皮はもうおしまいじゃ!フケがどんどん出るぞ!」と笑いながら騒いでおった。
最後にやってきたのがかゆみの小僧。この小僧は、おじいさんの頭皮にチクチクとしたかゆみを引き起こし、「ほれほれ、もっとかいてみろ!」とけしかけるんじゃ。おじいさんは耐えきれずに頭をかきむしり、ますます頭皮が荒れていくばかり。こうして、冬の悪者たちが次々とおじいさんの頭皮を苦しめていたんじゃ。
続く
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