ヘアカラーの種類と違い|特徴と目的に合った選び方

「ヘアカラー」とひとことで言っても、その種類は一つではありません。

一般的なヘアカラーのほかにも、

  • 白髪染め
  • ブリーチ
  • ヘアマニキュア
  • カラートリートメント
  • 塩基性カラー
  • ヘナ
  • カラースプレー

など、さまざまな方法があります。

どれも髪の色を変えるものですが、できることは同じではありません。

黒髪を明るくできるもの。

明るさは変えず、色だけを加えるもの。

白髪を染めることが得意なもの。

一日だけ色を楽しむもの。

それぞれに、得意なことと不得意なことがあります。

そのため、

「髪にやさしそうだから」

「色が長く持ちそうだから」

「白髪も染まりそうだから」

というイメージだけで選ぶと、希望していた仕上がりと違ってしまうことがあります。

ヘアカラー選びで大切なのは、どの種類が一番優れているかを決めることではありません。

今の髪をどのくらい明るくしたいのか。

どのような色を加えたいのか。

白髪をどのくらい染めたいのか。

目的に合った方法を選ぶことです。

この記事では、主なヘアカラーの種類と、それぞれの特徴、できること、できないことを一般の方にも分かりやすく整理します。

染料が髪へどのように浸透し、どのような反応で発色するのかについては、別記事の「ヘアカラー・ヘナ・ヘアマニキュアの染色原理」で詳しく解説しています。

この記事では難しい化学反応には深く踏み込まず、まずはヘアカラー全体の違いを見渡していきましょう。

ヘアカラーは「明るくする」と「色を加える」で考える

ヘアカラーの種類は多くありますが、最初にすべての商品名や染料の名前を覚える必要はありません。

髪の色を変える方法は、大きく次の三つに分けると分かりやすくなります。

髪を明るくする

一つ目は、髪がもともと持っている色素を減らし、現在の髪色よりも明るくする方法です。

代表的なものには、

  • ブリーチ
  • ライトナー

があります。

日本人の黒髪には、髪の色をつくるメラニンが多く含まれています。

ブリーチやライトナーは、このメラニンへ働きかけることで髪を明るくします。

そのため、黒髪では見えにくい透明感のある色や、鮮やかな色を表現しやすくなります。

ただし、明るくするだけでは、希望する色が完成するとは限りません。

髪を明るくしたあとに、別のカラーで色を加えることもあります。

髪色の土台となるメラニンについては、別記事の「メラニンは髪の中の“色の土台”」で詳しく解説しています。

髪に色を加える

二つ目は、現在の髪色の上へ染料を重ねる方法です。

代表的なものには、

  • ヘアマニキュア
  • カラートリートメント
  • 塩基性カラー
  • HCカラー
  • ヘナ
  • インディゴ
  • カラースプレー

などがあります。

これらの多くは、黒髪を明るくする力を持っていません。

そのため、黒髪へ使用しても色の変化が分かりにくい場合があります。

反対に、

  • 白髪
  • ブリーチ毛
  • すでに明るくなっている髪

では、加えた色が見えやすくなります。

同じ赤色を重ねても、黒い紙の上へ塗る場合と、白い紙の上へ塗る場合では見え方が違います。

髪のカラーも同じで、染料だけでなく、もともとの髪色によって仕上がりが変わります。

明るくしながら色を加える

三つ目は、髪を明るくする働きと、染料を加える働きを同時に行う方法です。

一般的な酸化染毛剤が、この種類に当てはまります。

代表的なものには、

  • ファッションカラー
  • グレイカラー
  • 一般的なアルカリカラー

があります。

髪のメラニンをある程度明るくしながら、毛髪内部で染料を発色させるため、明るさと色味を一度の施術で調整できます。

美容室や市販品で「ヘアカラー」と呼ばれているものの多くが、この酸化染毛剤です。

ファッションカラーと白髪染めは、まったく別の仕組みで染まるわけではありません。

基本的な染まり方には共通点がありますが、得意とする明るさや色の設計が異なります。

詳しい違いは、記事の後半で改めて解説します。

最初に知っておきたいこと

ここまでを簡単に整理すると、次のようになります。

髪色を変える方法主な種類黒髪を明るくできるか
髪を明るくするブリーチ・ライトナーできる
色を加えるヘアマニキュア・カラートリートメント・ヘナなど基本的にできない
明るくしながら色を加えるファッションカラー・グレイカラーできる

この違いを知っておくと、

「ヘアマニキュアで黒髪を明るくできるのか」

「カラートリートメントだけで透明感のある髪色にできるのか」

「白髪染めと普通のカラーは何が違うのか」

といった疑問も整理しやすくなります。

次からは、それぞれのカラーの特徴を種類ごとに見ていきます。

ヘアカラーの種類を一覧で比較

ヘアカラーは、種類によってできることが大きく異なります。

黒髪を明るくできるもの。

明るさを変えずに色を加えるもの。

白髪をしっかり染めることが得意なもの。

一時的に色を楽しむもの。

まずは、主な違いを一覧で確認してみましょう。

種類黒髪を明るくできるか白髪への対応色持ちの傾向主な特徴
酸化染毛剤できる得意比較的長い明るくしながら色を加えられる
ブリーチ・ライトナーできる色を加える目的では使わない明るくなった部分は元に戻らない髪の色素を減らして明るくする
ヘアマニキュアできない対応できる数週間ほどで徐々に落ちる明るさを変えずに色を加える
カラートリートメントできない製品によって対応使用をやめると徐々に落ちる使用を重ねながら色を補う
塩基性カラー・HCカラーできない製品や色による毛髪状態によって大きく変わる明るい髪に鮮やかな色を出しやすい
ヘナ・インディゴできない対応できる比較的残りやすい植物由来の色素で染める
一時着色料できない一時的に隠せる基本的に一回の洗髪まで髪の表面へ一時的に色を付ける

この表だけを見ると、色持ちが長いものや、髪を明るくできるものが優れているように感じるかもしれません。

しかし、ヘアカラーは機能が多ければよいわけではありません。

黒髪を明るくする必要がなければ、明るくする力を持たないカラーの方が目的に合う場合があります。

反対に、黒髪から透明感のある色を目指す場合は、色を重ねるだけでは希望の明るさにならないことがあります。

大切なのは、カラー剤の名前だけで選ぶことではありません。

今の髪色から、どこまで変えたいのか。

その目的から考えることです。

なお、色持ちは製品の種類だけで決まるものではありません。

髪のダメージ状態、使用する色、シャンプーの頻度、紫外線、熱、施術履歴などによっても変わります。

表の期間は絶対的なものではなく、あくまで一般的な傾向として考えてください。

酸化染毛剤|明るくしながら色を加えるカラー

美容室や市販品で「ヘアカラー」と呼ばれているものの多くは、酸化染毛剤です。

代表的なものには、

  • ファッションカラー
  • グレイカラー
  • 一般的なアルカリカラー

があります。

酸化染毛剤の大きな特徴は、髪を明るくする働きと、染料によって色を加える働きを同時に持っていることです。

そのため、

  • 黒髪を少し明るくする
  • 茶色や赤みを加える
  • アッシュやベージュなどの色味を表現する
  • 白髪と黒髪の色の差をなじませる

といった幅広い使い方ができます。

酸化染毛剤でできること

酸化染毛剤は、使用する薬剤や髪の状態によって、明るさと色味をある程度同時に調整できます。

たとえば、黒髪を少し明るくしながらブラウンを加えたり、白髪へ色を入れながら黒髪との境目をなじませたりできます。

一度の施術で明るさと色を動かせるため、現在のヘアカラーでは最も一般的な方法の一つです。

酸化染毛剤にも限界がある

酸化染毛剤で明るくできる範囲には限界があります。

黒髪から非常に明るい色や、鮮やかな青、紫、淡いピンクなどを表現したい場合は、通常のヘアカラーだけでは土台の明るさが足りないことがあります。

その場合は、先にブリーチで髪を明るくし、その上から希望色を加える方法が使われます。

また、暗く染めた履歴や白髪染めの染料が残っている髪では、同じ薬剤を使っても明るくなりにくいことがあります。

ヘアカラーは、現在見えている髪色だけでなく、過去に何を使って染めたかによっても結果が変わります。

繰り返し染める部分には注意が必要

新しく伸びてきた根元と、すでに何度も染めている毛先では、髪の状態が違います。

根元はまだカラー履歴が少なくても、毛先には過去のカラーが何度も重なっていることがあります。

それにもかかわらず、毎回すべての髪へ同じ強さの薬剤を塗ると、必要のない部分まで負担を重ねる可能性があります。

そのため美容室では、

  • 新しく伸びた部分
  • すでに染まっている部分
  • 色落ちした部分
  • ダメージが進んでいる毛先

を見分けながら、薬剤や塗り方を変えることがあります。

同じヘアカラーでも、どこへどのように使うかによって、髪への負担は変わります。

酸化染毛剤に注意が必要な人

酸化染毛剤には、酸化染料などによるアレルギーや、薬剤による刺激が起こる可能性があります。

これまで問題なく使用できていた場合でも、体調や使用を重ねる中で症状が出ることがあります。

使用中や使用後に、

  • 強いかゆみ
  • 赤み
  • 腫れ
  • 湿疹
  • 顔やまぶたの腫れ
  • 息苦しさ

などが起きた場合は、使用を続けず、必要に応じて医療機関へ相談してください。

「以前は染められたから、今回も必ず大丈夫」とは限りません。

希望する色だけでなく、過去に頭皮トラブルやアレルギー症状がなかったかも、カラー方法を選ぶうえで大切な情報です。

参考記事:ヘアカラーとアレルギー:その原因と対処法

ブリーチ・ライトナー|髪の色素を減らして明るくする

ブリーチとライトナーは、髪がもともと持っているメラニンへ働きかけ、髪を明るくするために使われます。

一般的な酸化染毛剤にも髪を明るくする働きはありますが、ブリーチやライトナーは、より「明るくすること」を中心に設計されています。

ただし、ブリーチとライトナーは完全に同じものではありません。

ブリーチとは

ブリーチは、毛髪のメラニンを酸化して、髪を大きく明るくするために使われます。

製品や施術条件によっては、髪に残っている人工染料をある程度減らす目的で使われることもあります。

黒髪を明るくすると、最初から白や透明になるわけではありません。

一般的には、

  • 赤茶
  • オレンジ
  • 淡い黄

というように、髪の中に残る色の見え方が変わっていきます。

そのため、ブリーチ後の髪には黄色やオレンジ色が見えることがあります。

この土台の色に、アッシュ、ベージュ、ピンク、紫などを重ねることで、さまざまな髪色を表現します。

ライトナーとは

ライトナーは、髪を明るくすることを目的としたカラー剤です。

一般に、ブリーチよりも明るくする幅は穏やかですが、製品によって特徴は異なります。

ライトナーには染料をほとんど含まない、または色味の影響を抑えた製品があり、現在の髪色を持ち上げて明るさを整えるために使われます。

ただし、過去に暗いカラーや白髪染めをしている髪では、期待したように明るくならないことがあります。

髪の中に残っている人工染料は、黒髪がもともと持つメラニンとは同じではないからです。

ブリーチだけでは希望色が完成しないこともある

ブリーチの主な役割は、髪を明るくして色の土台をつくることです。

そのため、ブリーチをしただけでは、希望しているベージュやグレー、ピンクなどが完成しない場合があります。

一般的には、

  1. ブリーチで髪を明るくする
  2. 明るくなった髪へ希望色を加える

という二段階でカラーを行います。

ブリーチ後に色を重ねる施術は、ダブルカラーと呼ばれることがあります。

一方で、髪の一部分だけを明るくするハイライトや、毛先を中心に明るくするデザインなど、ブリーチの使い方は一つではありません。

髪全体を同じ明るさにする必要がない場合は、必要な部分だけへ使うこともできます。

ブリーチは必ず悪いものなのか

ブリーチは明るくする力が大きいため、毛髪への負担も考える必要があります。

しかし、

「ブリーチだから必ず悪い」

「普通のカラーなら傷まない」

と、名前だけで分けることはできません。

通常のヘアカラーでも、同じ毛先へ何度も薬剤を重ねれば負担は蓄積します。

反対にブリーチでも、

  • 使用する範囲を限定する
  • 必要以上に明るくしない
  • 根元と毛先を塗り分ける
  • 髪の状態に合わせて薬剤を調整する
  • 以前ブリーチした部分へむやみに重ねない

といった配慮によって、負担を必要な範囲に抑えることはできます。

カラーの名前だけを見るのではなく、

どこまで明るくするのか。

どの部分へ使うのか。

過去に何回施術しているのか。

まで考えることが大切です。

ブリーチと繰り返すヘアカラーによる負担の違いについては、実際の毛束を比較した記事でも紹介しています。

ただし、一つの実験条件だけで、すべてのブリーチやカラーの負担を決めることはできません。

薬剤の種類、濃度、放置時間、施術回数、毛髪状態によって結果は変わります。

ヘアマニキュア|髪を明るくせずに色を加える

ヘアマニキュアは、主に酸性染料を使って髪へ色を加える方法です。

一般的な酸化染毛剤のように、黒髪を明るくする働きはありません。

そのため、黒髪へ使用した場合は、光が当たったときに色味を感じる程度で、大きな色の変化は見えにくいことがあります。

一方で、

  • 白髪
  • ブリーチした髪
  • すでに明るくなっている髪

では、染料の色が分かりやすくなります。

黒い紙と白い紙へ同じ絵の具を塗っても、見える色が違うように、ヘアマニキュアも染める前の髪色によって仕上がりが変わります。

ヘアマニキュアでできること

ヘアマニキュアは、髪の明るさを大きく変えずに色を加えたい場合に使われます。

たとえば、

  • 白髪へ自然な色を加える
  • 白髪を赤や紫などの色で楽しむ
  • 明るい髪へ色味を加える
  • 酸化染毛剤とは異なる方法で髪を染める

といった使い方があります。

白髪を完全に隠すというより、白髪へ色を重ねて黒髪との色差をやわらげる使い方もできます。

仕上がりは、使用する色や白髪の量によって変わります。

黒髪を明るくすることはできない

ヘアマニキュアについて、最も大切な点は、黒髪を明るくできないことです。

明るいブラウンのヘアマニキュアを黒髪へ使用しても、髪そのものが明るいブラウンになるわけではありません。

現在の髪色へ染料が重なるため、黒髪では色が隠れて見えにくくなります。

黒髪を明るくしたい場合は、酸化染毛剤やライトナー、ブリーチなど、髪のメラニンへ働きかける方法が必要です。

頭皮へ付けないように塗布する

ヘアマニキュアは、皮膚へ付着すると色が落ちにくいことがあります。

そのため美容室では、一般的に頭皮へ直接付けず、髪の根元ぎりぎりから塗布します。

酸化染毛剤のように頭皮へしっかり塗り込むものではありません。

頭皮へ付けない施術方法は利点にもなりますが、根元から完全に染めることが難しいという特徴もあります。

白髪が伸びてきたときは、染まっていない根元部分が少し残って見える場合があります。

色落ちや色移りが起こることがある

ヘアマニキュアの色は、シャンプーを重ねることで少しずつ落ちていきます。

色持ちには個人差がありますが、一般的には数週間ほどかけて徐々に薄くなります。

染めた直後や濃い色を使用した場合は、

  • 濡れた髪を拭いたタオル
  • 枕カバー
  • 衣服
  • 汗や雨で濡れた部分

へ色が移る可能性があります。

特に赤、青、紫などの濃い色は、染めた直後の扱いに注意が必要です。

酸化染毛剤より傷まないのか

ヘアマニキュアには、黒髪を明るくするための強い脱色作用がありません。

そのため、髪を明るくしながら染める酸化染毛剤と比べると、毛髪への負担を抑えやすい方法です。

ただし、

ヘアマニキュアなら、髪へまったく影響しない

という意味ではありません。

製品に含まれる成分、塗布方法、放置時間、施術前の髪の状態によって、手触りや乾燥感が変化することはあります。

「傷むか、傷まないか」の二択ではなく、希望する仕上がりに対して、どの方法が適しているかで考えることが大切です。

カラートリートメント|自宅で少しずつ色を補う

カラートリートメントは、トリートメントを使うような感覚で、髪へ少しずつ色を加える製品です。

白髪用の商品や、ブリーチ毛へ色を補う商品など、さまざまな種類があります。

多くの製品には、

  • 塩基性染料
  • HC染料
  • 酸性染料

などの直接染料が使われています。

ただし、どの染料が使われているかは製品によって異なります。

「カラートリートメント」という名前だけで、すべてが同じ染まり方をするわけではありません。

一度で完成させるより、繰り返して色を補う

カラートリートメントは、一度の使用でしっかり染め上げるというより、使用を重ねながら徐々に色を補う製品が多くあります。

一回目では色の変化が小さくても、数回使用することで少しずつ色が見えやすくなることがあります。

反対に、使用をやめるとシャンプーによって徐々に色が薄くなっていきます。

そのため、

  • 美容室へ行くまで白髪を目立ちにくくしたい
  • 色落ちした髪へ色味を補いたい
  • ブリーチ毛の黄みや赤みを調整したい
  • 自宅で無理なく色を維持したい

といった目的で使われます。

黒髪を明るくすることはできない

カラートリートメントも、基本的には黒髪を明るくする力を持っていません。

明るいベージュやアッシュのカラートリートメントを黒髪へ使用しても、黒髪自体が明るくなるわけではありません。

白髪やブリーチ毛など、もともと明るい部分では色が見えやすくなります。

そのため、同じ人の髪でも、

  • 白髪部分
  • 黒髪部分
  • 過去に染めた部分
  • ブリーチした部分

で、色の入り方が違って見えることがあります。

製品によって染まり方が大きく違う

カラートリートメントは、製品によって染料の種類や濃さが大きく異なります。

同じブラウンという名前でも、

  • 赤みの強いブラウン
  • 黄みのあるブラウン
  • 青みを含む暗いブラウン

など、仕上がりはさまざまです。

また、髪のダメージ状態によっても染まり方が変わります。

ダメージが大きい部分だけ濃く染まったり、毛先だけ色が残ったりすることもあります。

初めて使う場合は、目立たない毛束で色の入り方を確認すると安心です。

美容室のカラーへ影響することがある

カラートリートメントの色は、表面から見て薄くなっていても、毛髪に残っていることがあります。

特に濃いブラウン、黒、赤、青、紫などを繰り返し使用している場合は、その後のヘアカラーやブリーチへ影響することがあります。

たとえば、

  • 予定より明るくならない
  • 赤みや青みが残る
  • 部分的に色ムラが出る
  • 希望色と異なる発色になる

といったことがあります。

美容室でカラーをする場合は、

  • 使用している商品名
  • 使用している色
  • 使用頻度
  • 最後に使用した日

を伝えることが大切です。

カラートリートメントも、ヘアカラー履歴の一つです。

塩基性カラー・HCカラー|明るい髪へ色を加える直接染料

塩基性カラーとHCカラーは、酸化染毛剤のように毛髪内部で酸化反応を起こして発色させるものではありません。

あらかじめ色を持った直接染料によって、髪へ色を加えます。

カラートリートメント、カラーバター、塩基性カラーと呼ばれる製品には、塩基性染料やHC染料が組み合わせて使われていることがあります。

ただし、商品名と染料の分類は必ずしも同じではありません。

「カラーバターだから塩基性染料だけ」

「カラートリートメントだからHC染料だけ」

と単純には分けられません。

塩基性カラーとは

塩基性染料は、プラスの電気的な性質を持つ染料です。

毛髪の中でも、特にダメージによってマイナスの性質が増えた部分へ引き寄せられやすい特徴があります。

そのため、

  • ブリーチ毛
  • 明るく染めた髪
  • ダメージのある部分

では色が入りやすくなります。

反対に、健康な黒髪では色が見えにくく、染まり方も弱くなることがあります。

難しい染色原理については、別記事の「ヘアカラー・ヘナ・ヘアマニキュアの染色原理」で詳しく解説しています。

HCカラーとは

HC染料は、比較的小さな染料が毛髪へ浸透することで色を加える直接染料です。

単独で使われることもありますが、塩基性染料と組み合わせて使用される製品も多くあります。

塩基性染料とHC染料を組み合わせることで、

  • 発色
  • 色味
  • 染まりやすさ
  • 色の残り方

を調整しています。

一般の方が商品を選ぶ際に、塩基性染料とHC染料の細かな違いをすべて覚える必要はありません。

大切なのは、どちらも基本的には黒髪を明るくするものではなく、現在の髪色へ色を加える染料だということです。

鮮やかな色は、髪の土台に左右される

塩基性カラーやHCカラーは、

  • ピンク
  • オレンジ

など、鮮やかな色を表現するときにも使われます。

ただし、染料が鮮やかだからといって、黒髪へ使えば同じ色に見えるわけではありません。

青い絵の具を黒い紙へ塗っても、青がはっきり見えないのと同じです。

鮮やかな色を表現するためには、あらかじめブリーチなどで髪の土台を明るくする必要があります。

どのくらい明るくすればよいかは、希望する色によって異なります。

たとえば、濃い赤や紫は比較的暗い土台でも見えやすいことがあります。

一方で、淡いピンク、薄いブルー、シルバーなどは、かなり明るい土台が必要です。

ダメージ部分だけ濃く染まることがある

塩基性染料やHC染料は、髪の状態によって染まり方が変わります。

同じ髪の中でも、

  • 根元
  • 中間
  • 毛先
  • ブリーチした部分
  • ダメージの大きい部分

で色の入り方が異なることがあります。

特に毛先だけダメージが大きい場合は、毛先へ染料が濃く入り、根元との色差が出ることがあります。

反対に、ダメージが進みすぎた髪では、染料が一度濃く入っても、シャンプーで早く抜けることがあります。

「染まりやすい髪」と「色持ちがよい髪」は、必ずしも同じではありません。

濃い染料が次のカラーへ影響することがある

塩基性カラーやHCカラーは、色が薄く見えるようになったあとも、毛髪内に染料が残ることがあります。

特に、

  • 濃い黒
  • 暗いブラウン

などは、その後のカラーやブリーチへ影響する場合があります。

たとえば、青や緑の染料が残った髪を明るくすると、くすんだ緑色が現れることがあります。

赤やピンクが残っている髪では、希望しているアッシュやベージュになりにくいこともあります。

そのため、美容室で次のカラーをするときは、使用履歴を伝えることが大切です。

市販品、自宅用、サロン用に関係なく、髪へ使用したものは、次の施術を考えるための重要な情報になります。

三つの違いを簡単に整理すると

ヘアマニキュア、カラートリートメント、塩基性カラー・HCカラーは、どれも基本的には黒髪を明るくするものではありません。

しかし、同じ製品ではなく、目的や使い方に違いがあります。

種類主な特徴向いている使い方
ヘアマニキュア主に酸性染料で染める。頭皮へ付けずに施術する白髪や明るい髪へ色を加える
カラートリートメント自宅で使用を重ねながら色を補う白髪や褪色を日常的に補う
塩基性カラー・HCカラー直接染料で鮮やかな色を表現しやすいブリーチ毛や明るい髪へ色を加える

実際には、カラートリートメントへ塩基性染料やHC染料が使われていることもあります。

そのため、この三つは完全に切り離された分類ではありません。

商品名だけで判断するのではなく、

  • どのような染料が使われているか
  • 黒髪を明るくする作用があるか
  • 一度で染めるものか
  • 使用を重ねて色を補うものか
  • 次のカラーへどのような影響があるか

を確認することが大切です。

ヘナ・インディゴ|植物由来の色素で髪を染める

ヘナとインディゴは、植物から得られる色素を使って髪を染める方法です。

どちらも黒髪を明るくする働きはありません。

現在の髪色へ植物由来の色素を重ねるため、

  • 白髪
  • ブリーチした髪
  • すでに明るくなっている髪

では、色の変化が分かりやすくなります。

一方、黒髪へ使用した場合は、明るさはほとんど変わらず、光に当たったときに色味を感じる程度になることがあります。

ヘナとは

ヘナは、ミソハギ科の植物から得られる染料です。

純粋なヘナを白髪や明るい髪へ使用すると、基本的にはオレンジから赤みのある色に染まります。

ヘナだけで、

  • 自然なブラウン
  • 暗いブラウン
  • 黒に近い色

へ染まるわけではありません。

白髪をオレンジではなくブラウン系へ近づけたい場合は、インディゴなど、別の植物染料と組み合わせる方法が使われます。

インディゴとは

インディゴは、藍色系の色素を持つ植物染料です。

ヘナのオレンジ色と組み合わせることで、ブラウンや暗い色へ近づけるために使われます。

配合や使用方法によって、

  • オレンジブラウン
  • 赤みのあるブラウン
  • 落ち着いたブラウン
  • 暗いブラウン

など、仕上がりが変わります。

ただし、植物染料は一般的な酸化染毛剤のように、細かく明度や色味を調整しやすいものではありません。

髪質、白髪の量、使用履歴、放置時間などによっても色の見え方が変わります。

ヘナやインディゴでできること

ヘナやインディゴは、主に次のような目的で使われます。

  • 白髪へ植物由来の色素を加える
  • 黒髪の明るさを変えずに色味を重ねる
  • 酸化染毛剤とは異なる方法で髪を染める
  • 染めながら髪の手触りやハリの変化を楽しむ

使用後に、髪がしっかりした、ハリが出た、少し硬く感じるといった質感の変化を感じることがあります。

ただし、これは失われた毛髪組織が元通りに再生したという意味ではありません。

髪への色素の定着や表面状態の変化によって、触ったときの感覚が変わることがあります。

黒髪を明るくすることはできない

ヘナやインディゴには、毛髪のメラニンを脱色して明るくする力はありません。

そのため、

「ヘナで黒髪を明るいブラウンにしたい」

という希望には、基本的に向いていません。

黒髪部分は暗いまま残り、白髪部分だけに色が見えるため、白髪の量によって全体の見え方が変わります。

白髪が少ない場合は、細いオレンジやブラウンの毛が黒髪の中に混ざるように見えます。

白髪が多い場合は、植物染料の色が全体の印象に強く現れます。

植物由来でもアレルギーは起こり得る

ヘナやインディゴは植物由来ですが、

天然だから、誰にでも安全

とは限りません。

植物成分でも、皮膚刺激やアレルギー反応が起こる可能性があります。

特にインディゴでは、かゆみ、赤み、腫れなどが起こる人もいます。

使用中や使用後に異常を感じた場合は、使用を続けないことが大切です。

また、「ヘナカラー」と表示されていても、製品によってはヘナ以外の植物染料、直接染料、酸化染料などが配合されている場合があります。

商品名だけで判断せず、成分表示や使用方法を確認する必要があります。

その後のカラーやパーマへ影響することがある

ヘナやインディゴの使用履歴は、その後のヘアカラーやパーマへ影響する場合があります。

特にインディゴや濃い植物染料が残っている髪では、

  • 希望どおりに明るくならない
  • 色が濁る
  • 緑やくすみが見える
  • 部分的に色ムラが出る

ことがあります。

ヘナをした直後だけでなく、数か月前の使用履歴でも施術判断に関係する場合があります。

美容室でカラーやパーマをする際は、

  • 使用した商品
  • ヘナだけか、インディゴも使用したか
  • 使用した回数
  • 最後に使用した時期

を伝えることが大切です。

植物染料も、大切なカラー履歴の一つです。

一時着色料|その日だけ髪へ色を付ける

一時着色料は、髪の表面へ一時的に色を付ける製品です。

代表的なものには、

  • ヘアマスカラ
  • カラースプレー
  • カラーワックス
  • 一日用の白髪隠し
  • カラーチョーク

などがあります。

多くの製品は、基本的に一回のシャンプーで落とすことを前提に作られています。

一時着色料でできること

一時着色料は、

  • 気になる白髪を一日だけ隠す
  • 根元の白髪を次のカラーまで目立ちにくくする
  • イベントや撮影で一時的に色を変える
  • 毛先や一部分だけ色を楽しむ

といった使い方に向いています。

髪の内部を大きく変えるものではないため、長期間色を維持したい場合には向いていません。

黒髪でも色を見せやすい製品がある

一時着色料は、髪の表面へ色のある成分を付着させるため、製品によっては黒髪でも色が見えることがあります。

ただし、黒髪そのものを明るくしているわけではありません。

髪の表面へ不透明な色を重ねることで、色が見えるようにしています。

発色は、

  • 製品の色
  • 塗布する量
  • 元の髪色
  • 髪の表面状態

によって変わります。

汗や雨、摩擦による色移りに注意する

一時着色料は水や摩擦に弱いものがあります。

使用する製品によっては、

  • 帽子
  • 衣服
  • 手や指

へ色が移ることがあります。

髪が完全に乾いていることを確認し、白い衣服や雨の日の使用には注意が必要です。

一時的に使うものだからこそ、落としやすさと色移りの両方を考えて選びます。

ファッションカラーと白髪染めは何が違う?

ファッションカラーと白髪染めは、まったく別の仕組みで染まるものだと思われることがあります。

しかし、多くの場合、どちらも酸化染毛剤に分類されます。

髪をある程度明るくしながら、染料を発色させて色を加えるという基本的な考え方には共通点があります。

大きな違いは、主に色の設計と得意とする目的です。

ファッションカラーとは

ファッションカラーは、

  • 髪を明るくする
  • 色味を変える
  • 透明感を表現する
  • 赤みや黄みを調整する
  • デザインを楽しむ

といった目的に向けて作られています。

明るさや色味の幅が広く、ベージュ、アッシュ、ピンク、オリーブなど、さまざまな色を表現できます。

ただし、白髪へ使用した場合に、黒髪と同じような色へしっかり染まるとは限りません。

白髪へ淡い色だけが入り、黒髪との色の差が残ることもあります。

白髪染めとは

白髪染めは、白髪と黒髪の色の差をなじませることを得意とするカラーです。

白髪にも色を感じさせるため、ファッションカラーと比べて、

  • ブラウン
  • 濃い色素

を多く含む製品があります。

そのため、白髪をしっかり染めやすい一方で、使用する色によっては全体が暗く見えたり、ブラウンが強く残ったりすることがあります。

白髪染めは必ず暗いわけではない

白髪染めという名前から、

白髪染めは黒か暗い茶色しか選べない

と思われることがあります。

しかし、現在は明るめの白髪染めや、ファッションカラーと組み合わせて白髪をなじませる方法もあります。

白髪を完全に同じ色へ染めるのではなく、

  • 白髪を淡くぼかす
  • 明るい筋として生かす
  • 黒髪を明るくして白髪との色差を小さくする
  • ハイライトを使って白髪を目立ちにくくする

といった考え方もあります。

白髪をどのくらい隠したいのかによって、選ぶカラーは変わります。

白髪染めは必ず強いわけではない

白髪染めは薬剤が強く、ファッションカラーは弱いと単純に分けることはできません。

毛髪への負担は、

  • 使用する製品
  • 求める明るさ
  • アルカリの量
  • 過酸化水素の濃度
  • 放置時間
  • 塗布する範囲
  • 過去のカラー履歴

などによって変わります。

明るいファッションカラーの方が、暗い白髪染めより髪を明るくする力が大きい場合もあります。

反対に、白髪染めの濃い染料が毛先へ繰り返し重なることで、色が暗く残り、次のカラーで明るくしにくくなることもあります。

「白髪染めか、ファッションカラーか」という名前だけで、薬剤の強さを判断することはできません。

白髪染めとファッションカラーを組み合わせることもある

美容室では、白髪の量や希望する仕上がりに合わせて、白髪染めとファッションカラーを組み合わせることがあります。

たとえば、

  • 白髪の多い部分には白髪を染めやすい薬剤
  • 黒髪の多い部分には明るさを出しやすい薬剤
  • 毛先には色味だけを補う薬剤

というように、髪の場所によって薬剤を変える方法です。

根元から毛先まで、すべてを同じ薬剤で染める必要はありません。

髪の状態と目的に合わせて塗り分けることで、白髪を染めながら、全体を必要以上に暗くしないよう調整できます。

白髪の量によって見え方は変わる

同じカラーを使っても、白髪の量によって仕上がりは異なります。

白髪が少ない場合は、黒髪の中に染まった白髪が細く混ざるように見えます。

白髪が多い場合は、染まった白髪の色が全体の印象へ強く影響します。

そのため、カラー剤の色見本だけでは、実際の仕上がりを完全には予測できません。

  • 白髪の割合
  • 白髪が生えている場所
  • 黒髪の明るさ
  • 過去のカラー
  • 希望する白髪の隠れ方

を合わせて考える必要があります。

明るい白髪染めの考え方と施術例については、別記事でも紹介しています。

白髪を完全に隠すことだけが、白髪染めの答えではありません。

どのくらい染め、どのくらい残し、全体をどのように見せるか。

白髪染めも、髪色を設計する方法の一つです。

目的に合ったヘアカラーの選び方

ここまで見てきたように、ヘアカラーにはさまざまな種類があります。

しかし、すべての種類を覚えてから選ぶ必要はありません。

まずは、

  • 髪を明るくしたいのか
  • 色だけを加えたいのか
  • 白髪をどのくらい染めたいのか
  • 色を長く楽しみたいのか
  • 一時的に色を変えたいのか

という目的から考えると、選択肢を整理しやすくなります。

黒髪を明るくしたい

黒髪を現在より明るくしたい場合は、髪のメラニンへ働きかける方法が必要です。

主な選択肢は、

  • 酸化染毛剤
  • ライトナー
  • ブリーチ

です。

自然なブラウンや少し明るい髪色であれば、一般的な酸化染毛剤で対応できることがあります。

一方で、

  • 淡いベージュ
  • シルバー
  • 明るいピンク
  • 青や紫などの鮮やかな色

を表現したい場合は、先にブリーチで髪を明るくする必要があることがあります。

希望する色だけでなく、その色を見せるために必要な土台の明るさまで考えることが大切です。

白髪をしっかり染めたい

白髪を黒髪に近い色へしっかり染めたい場合は、グレイカラーが代表的な選択肢です。

ほかにも、

  • ヘアマニキュア
  • カラートリートメント
  • ヘナ・インディゴ

などで白髪へ色を加えることができます。

ただし、それぞれ仕上がりは異なります。

グレイカラーは、白髪と黒髪の色差をなじませやすい方法です。

ヘアマニキュアは、黒髪を明るくせずに白髪へ色を加えます。

カラートリートメントは、自宅で使用を重ねながら白髪を目立ちにくくします。

ヘナは、白髪へオレンジ系の色を加え、インディゴとの組み合わせでブラウン系へ近づけます。

白髪を染める方法を選ぶときは、

  • どのくらいしっかり隠したいか
  • 髪全体を明るくしたいか
  • 自宅で手軽に続けたいか
  • 色持ちをどのくらい求めるか
  • 過去にアレルギーや頭皮トラブルがなかったか

を考えます。

白髪を完全に隠さず、なじませたい

白髪は、必ず黒や濃いブラウンで隠さなければならないわけではありません。

白髪を淡く染めたり、黒髪を少し明るくしたりすることで、白髪との明るさの差を小さくする方法もあります。

たとえば、

  • 明るめのグレイカラー
  • ファッションカラーとの組み合わせ
  • ハイライト
  • ヘアマニキュア
  • 淡く染まるカラートリートメント

などが候補になります。

白髪を一本も見えなくするのか。

少し残して自然になじませるのか。

白髪を明るい髪として生かすのか。

目指す仕上がりによって、選ぶ方法は変わります。

鮮やかな色を楽しみたい

ピンク、青、紫、緑などの鮮やかな色を見せたい場合は、髪の土台の明るさが重要です。

黒髪へ鮮やかな染料を重ねても、色がほとんど見えない場合があります。

一般的には、

  1. ブリーチなどで髪を明るくする
  2. 塩基性カラーやHCカラーなどで色を加える

という方法が使われます。

ただし、希望する色によって必要な明るさは異なります。

濃い赤や紫は、少し暗い髪でも色を感じやすいことがあります。

一方で、淡い青やシルバー、薄いピンクは、より明るい土台が必要です。

また、鮮やかな染料はその後のカラーへ残りやすい場合があります。

現在の色だけでなく、次にどのようなカラーをしたいかまで考えて選ぶことが大切です。

髪を明るくせずに色を加えたい

現在の明るさを変えずに色だけを加えたい場合は、

  • ヘアマニキュア
  • カラートリートメント
  • 塩基性カラー・HCカラー
  • ヘナ・インディゴ

などが候補になります。

これらは、基本的に黒髪を明るくする力を持っていません。

そのため、白髪やすでに明るくなっている髪では色が見えやすく、黒髪では変化が分かりにくいことがあります。

髪を明るくする必要がない場合には、脱色作用を持たない方法が目的に合うことがあります。

美容室へ行くまで色を補いたい

次のカラーまでの間に白髪や色落ちが気になる場合は、

  • カラートリートメント
  • ヘアマスカラ
  • 一日用白髪隠し
  • カラースプレー

などが使えます。

毎日または定期的に色を補いたい場合は、カラートリートメント。

その日だけ白髪を隠したい場合は、ヘアマスカラや一時着色料が向いています。

ただし、カラートリートメントを繰り返すと、その後の美容室でのカラーへ影響する場合があります。

使用している商品や色は、美容師へ伝えておきましょう。

一日だけ色を変えたい

イベント、撮影、舞台、休日など、一日だけ色を楽しみたい場合は、一時着色料が向いています。

代表的なものには、

  • カラースプレー
  • カラーワックス
  • ヘアマスカラ
  • カラーチョーク

があります。

長期間色を残したくない場合や、学校や仕事の都合で普段は髪色を変えられない場合にも使いやすい方法です。

ただし、汗、雨、摩擦による色移りには注意が必要です。

髪への負担はカラーの種類だけでは決まらない

ヘアカラーを選ぶとき、

「どのカラーが一番傷まないですか?」

と聞かれることがあります。

確かに、髪を大きく明るくするブリーチと、髪の表面へ一時的に色を付けるカラースプレーでは、毛髪への影響は同じではありません。

しかし、髪への負担は、カラーの名前だけで決まるものでもありません。

どのくらい明るくするか

髪を明るくする幅が大きいほど、毛髪への負担にも配慮が必要になります。

黒髪を少し明るくする場合と、淡い色を表現できるほど明るくする場合では、必要な施術が異なります。

同じブリーチでも、どこまで明るくするかによって髪への影響は変わります。

同じ部分へ何度薬剤を重ねるか

髪は、一度カラーをしたら元の状態へ戻るわけではありません。

新しく伸びてきた根元にはカラー履歴がなくても、毛先には過去の薬剤が何度も重なっていることがあります。

毎回、根元から毛先まで同じ薬剤を使うと、すでに染まっている部分へ必要以上の負担を加える場合があります。

通常のヘアカラーでも、同じ部分へ繰り返し薬剤を重ねれば、負担は蓄積します。

カラーとブリーチを繰り返した毛束の違いについては、別記事の検証でも紹介しています。

ただし、薬剤や条件によって結果は異なるため、一つの検証だけですべての施術を比較することはできません。

根元と毛先では必要な薬剤が違う

新しく伸びた根元と、何度もカラーをしている毛先では、髪の状態が異なります。

根元には明るくする力が必要でも、毛先はすでに十分明るくなっており、色を補うだけでよい場合があります。

そのため美容室では、

  • 根元は明るくしながら染める
  • 中間は必要な部分だけ調整する
  • 毛先は色味だけを補う

というように、薬剤を塗り分けることがあります。

すべての髪へ同じ薬剤を使うより、必要な場所に必要な働きだけを使う方が、負担を抑えやすくなります。

過去のカラー履歴

現在の髪色が同じに見えても、過去の施術履歴は人によって違います。

たとえば、

  • 白髪染めを繰り返している
  • 黒染めをしている
  • ブリーチをしている
  • カラートリートメントを使っている
  • ヘナやインディゴをしている
  • 塩基性カラーを使っている

といった履歴によって、次のカラーの染まり方は変わります。

髪の中に残った染料は、見た目では分からないことがあります。

希望色を伝えることと同じくらい、過去に何を使ったかを伝えることも大切です。

髪質と現在のダメージ状態

同じ薬剤を使っても、すべての髪が同じように反応するわけではありません。

  • 髪の太さ
  • もともとの明るさ
  • 白髪の量
  • 水分を含んだときの状態
  • カラーやブリーチの履歴
  • 縮毛矯正やパーマの履歴
  • 熱による負担

などによって、染まり方や色持ちは変わります。

毛先だけ染料が濃く入ることもあれば、ダメージが大きいため早く色落ちすることもあります。

カラー剤の選択だけでなく、現在の髪をどのように判断するかが重要です。

放置時間や施術方法

必要以上に長く薬剤を置けば、必ずきれいに染まるわけではありません。

製品ごとに、色が発色するために必要な時間があります。

時間を延ばしすぎても、色が大きく変わらない一方で、髪や頭皮への負担が増える可能性があります。

また、

  • 薬剤の量
  • 塗布の順番
  • 塗り分け
  • 温度
  • 水洗
  • 施術後の処理

によっても仕上がりは変わります。

カラーは、薬剤を選んだ時点で完成するものではありません。

どのように使うかまで含めて、一つの施術です。

カラーの名前だけで、良い悪いは決められない

ブリーチだから悪い。

ヘナだから安全。

白髪染めだから強い。

ヘアマニキュアだから傷まない。

このように、カラーの名前だけで判断すると、実際の髪の状態を見落としてしまいます。

どの方法にも、得意なことと不得意なことがあります。

大切なのは、

  • 今の髪に必要な働きは何か
  • どこまで明るくしたいか
  • どのくらい白髪を染めたいか
  • 過去にどのような施術をしてきたか
  • 次にどのような髪色へ変えたいか

を合わせて考えることです。

何を使うかと同じくらい、どこへ、どのように使うかが大切です。

ヘアカラーについてよくある質問

普通のヘアカラーでも髪は明るくなりますか?

一般的な酸化染毛剤には、髪のメラニンへ働きかけて明るくする作用があります。

そのため、通常のヘアカラーでも黒髪を明るくすることができます。

ただし、ブリーチほど大きく明るくできるとは限りません。

どこまで明るくできるかは、使用する製品、現在の髪色、過去のカラー履歴によって変わります。

ブリーチと普通のヘアカラーは何が違いますか?

どちらも髪を明るくするために酸化反応を使うことがありますが、主な目的が異なります。

一般的なヘアカラーは、髪を明るくしながら色も加えます。

ブリーチは、主に髪の色素を減らし、大きく明るくするために使われます。

ブリーチ後は、別のカラーで希望色を加えることがあります。

ヘアマニキュアで黒髪を明るくできますか?

基本的にはできません。

ヘアマニキュアは、現在の髪色へ染料を加える方法です。

白髪や明るい髪では色が見えやすくなりますが、黒髪では大きな変化を感じにくい場合があります。

カラートリートメントで黒髪を明るくできますか?

基本的にはできません。

カラートリートメントは、髪へ色を加えたり、色落ちを補ったりする製品です。

白髪や明るい髪では色が見えやすくなりますが、黒髪の明るさそのものを変える力はありません。

ヘナで髪を明るくできますか?

純粋なヘナには、黒髪を明るくする力はありません。

白髪や明るい髪にはオレンジ系の色が見えますが、黒髪は暗いまま残ります。

ヘナカラーという商品名でも、製品によって配合成分が異なるため、成分表示の確認が必要です。

白髪染めはファッションカラーより傷みますか?

必ずしもそうとは限りません。

毛髪への負担は、カラーの名前だけでなく、

  • 求める明るさ
  • 使用する薬剤
  • 塗布する範囲
  • 放置時間
  • 過去のカラー履歴
  • 同じ部分へ何度薬剤を重ねるか

によって変わります。

明るいファッションカラーの方が、暗い白髪染めより明るくする力が大きい場合もあります。

カラートリートメントを使ったことは美容師へ伝えた方がよいですか?

伝えた方がよいです。

カラートリートメントの染料が毛髪へ残っていると、その後のカラーやブリーチへ影響する場合があります。

使用している商品名、色、使用頻度、最後に使用した時期を伝えると、施術判断がしやすくなります。

ヘナや植物染料ならアレルギーは起こりませんか?

植物由来でも、アレルギーや皮膚トラブルが起こる可能性はあります。

天然という言葉は、すべての人に刺激やアレルギーが起こらないことを意味するものではありません。

使用中や使用後にかゆみ、赤み、腫れなどが出た場合は、使用を続けないことが大切です。

一度黒く染めた髪は、すぐに明るくできますか?

難しい場合があります。

黒染めや濃い白髪染めの人工染料は、通常の明るいカラーを重ねただけでは十分に明るくならないことがあります。

無理に明るくしようとすると、色ムラや毛髪への大きな負担につながる可能性があります。

黒く染めた時期や使用した製品を美容師へ伝え、段階的な施術も含めて相談することが大切です。

さらに詳しく知りたい方へ

この記事では、ヘアカラーの種類と選び方を中心に紹介しました。

染料が髪のどこへ入り、どのような反応で発色するのかについては、次の記事で詳しく解説しています。

参考記事:ヘアカラー・ヘナ・ヘアマニキュアの染色原理

参考記事:メラニンは髪の中の「色の土台」

参考記事:明るい白髪染めの考え方と施術例

参考記事:カラーとブリーチを繰り返した毛束の比較

さらに、カラーやブリーチによる毛髪の変化を専門的に学びたい方は、次の記事も参考にしてください。

参考記事:システイン酸とは何か

参考記事:金属イオンはなぜ髪の反応を読みにくくするのか

参考記事:髪と抗酸化

まとめ|一番よいカラーではなく、目的に合ったカラーを選ぶ

ヘアカラーには、さまざまな種類があります。

髪を明るくしながら染める酸化染毛剤。

髪の色素を減らして明るくするブリーチ。

明るさを変えずに色を加えるヘアマニキュア。

自宅で少しずつ色を補うカラートリートメント。

明るい髪へ鮮やかな色を加える塩基性カラーやHCカラー。

植物由来の色素を使うヘナやインディゴ。

一日だけ色を楽しむ一時着色料。

どれか一つが、すべての人にとって最も優れているわけではありません。

それぞれに、できることと、できないことがあります。

大切なのは、

今の髪をどのように変えたいのか。

そのために、どの働きが必要なのか。

を考えることです。

そして、現在の髪は、一度のカラーだけでできているわけではありません。

過去にどこを明るくし、どのような染料を重ね、どの部分へ薬剤を使ってきたか。

その履歴が、今の髪色や髪の状態につながっています。

カラーの種類を選ぶこと。

今の髪を正しく見ること。

必要な部分へ、必要な施術を行うこと。

その積み重ねが、今の髪だけでなく、これから伸びていく髪と、未来の毛先を守ることにつながります。