トリートメントが使用されたはじまりは「くし通り」の改善です。これは20世紀頃にパーマが導入されて毛髪がダメージして広く使用されるようになったからです。その後に「毛先のはね」や「ツヤ」、「ダメージの抑制」などの機能性を持たせるようになったといわれています。
「くし通り」をよくする目的は、髪が摩擦という物理的損傷から回避するためです。こういった目的に効果を発揮しやすいのがシリコン(正確にはシリコーン)です。「くし通り」の改善は毛髪表面の作用が大きく、シリコーンやポリマーなどはこういった潤滑改善にはもってこいということです。簡単に説明すれば「髪に膜を貼る」ということです。これがよくいわれている「被膜」や「油膜」です。
被膜成分はシリコーンだけではなく、キトサンやセルロースなどのポリマーも同じことです。つまり、シリコーンがダメっていわれているなら、ポリマーなどの髪の表面を覆い尽くす「くし通りの改善」成分を否定することになってしまいます。
ノンシリコン=シリコーンはつかっていない。では別の被膜で対応する。結局同じことですよね。
「ノンシリコン」ブームはなぜ起きたのか?
これは近年ダメージした髪がより多くなったからです。そして、トリートメントの持続性を求められるようになったからでしょう。これは以前記事にしたと思うのですが、持続性があるということはメリットでもあり、デメリットにもなるということです。
トリートメントで被膜ガチガチにするということは車にワックスを塗るようなものです。ワックスは水をはじきますよね。そしてなかなかとれません。髪も同じことです。過剰な「くし通り」を求めるあまり髪を被膜しすぎるということはカラーやパーマや縮毛矯正などの薬剤や毛髪内部の補強でさえはじくことになり、髪が何もできなくなる可能性があるということです。
くし通り改善に効果があるシリコーンが標的にされた理由は、髪の表面を覆うことで起こる障害です。しかし、シリコーンだから障害が必ず起きる訳ではありません。下記リンクをご覧下さい。
リンク → シリコーンが髪をコーティングする
これを見ればわかりますが、シリコーンを使用してもカラーは染まります。つまり、シリコーンを使用しても障害は起きていないということですね。
成分表記が全てではない
シリコーンと一言でいってもその種類は膨大です。これはシリコーンに限ったことではありません。コラーゲンだってシルクだってそうです。野菜とかもそうですよね。最近ではどこで栽培されたのか、どういった肥料を使っているのかは表示されている 場合もありますが、もしただ人参とだけ表示されていたらどういった人参かはわかりません。
つまり、シリコーンと表示されていてもそのシリコーンがどのくらいの被膜をつくるかはわからないということです。そしてノンシリコンと表示されていても被膜をつくる他の成分が入っていて、それがどの程度の被膜をつくるかはわからないのが現実です。
リンク → イメージ戦略に気をつけましょう!
無添加、オーガニック、天然などの表記はたくさんあります。しかし、それが本当に安全なのか?といわれると必ず安全とはいえないのが本当のところです。世の中には曖昧なことがたくさんあります。そしてそれが当たり前なのです。
情報を正しく理解する
一番厄介なのが上記にあるようなイメージです。情報化社会といわれる現代は様々なメディアをとおして多様のモノや情報を目にします。同じようなイメージが羅列すれば人は「これはこういったモノだ。」というイメージを脳にインプットします。
脳にインプットすることで人は固定概念を持ってしまいます。もちろん正しい情報もあるでしょう。しかし、同じように間違った情報があることも理解しましょう。そしてメリットがあればデメリットもあるかもしれないと思いましょう。よくないのは決めつけることです。
例えば、Aさんはおでこのシワが気になります。手っ取り早い方法があります。表情筋をなくすことです。シワは消えます。しかし、Aさんは無表情になりました。つまり、シワが消えたことでメリットは得られましたが、その分サイボーグのような冷たい雰囲気になってしまい、デメリットも同時にうんでしまっているのです。
被膜もポリマーもシリコーンも使いようです。どう使うのか、どう使いこなすのかで 良薬にも毒薬にもなります。これは何にでもいえることだと思います。そして気になるならとことん調べるべきです。少しの情報で得た目先のイメージよりも真実はもっと先にあると思います。
なぜなら、その一瞬も人生には大事な1ページですが、その先にも大切なページは続いているからです。
それでは素敵なヘアライフを!
浦和の美容室エナ 「美」から生まれるチカラ
進化する縮毛矯正,デジタルパーマ,カラーでお手入れしやすいヘアデザインを心がけています。
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