ヘアカラー・ヘナ・ヘアマニキュアの染色原理

染色原理、放置時間、加温および施術当日のシャンプーの有無についてのご質問がありましたので、その回答となります。

同じ「髪を染める」でも、染料が髪の中で発色するのか、髪表面に吸着するのか、植物色素として染着するのかで、塗布方法・放置時間・加温・当日のシャンプーの考え方は変わります。

全体像

大前提として、放置時間・加温・シャンプー可否はメーカー指定が最優先です。

ここでは現場での一般的な目安としてまとめます。

アルカリヘアカラー

染色原理:脱色+酸化染料の内部発色

放置時間の目安:15〜30分

加温:基本不要

帰宅後シャンプー:避けたい

ヘアマニキュア

染色原理:酸性染料が表面〜表層に吸着

放置時間の目安:10〜20分

加温:使用することが多い

帰宅後シャンプー:避けたい

HC染料

染色原理:小さい直接染料が浅く入る

放置時間の目安:5〜20分

加温:商品次第

帰宅後シャンプー:避けたい

塩基性染料

染色原理:プラス染料が髪のマイナス部位に吸着

放置時間の目安:5〜20分

加温:商品次第

帰宅後シャンプー:避けたい

香草カラー

染色原理:中身で変わる。酸化染料型/HC植物染料型

放置時間の目安:20〜40分

加温:商品次第

帰宅後シャンプー:避けたい

ヘナ

染色原理:ローソンがケラチンに染着

放置時間の目安:40分〜

加温:保温は有効

帰宅後シャンプー:避けたい

インディゴ

染色原理:インディゴ系色素が酸化発色

放置時間の目安:20分〜

加温:強加温は注意

帰宅後シャンプー:避けたい

補足:インディゴが強加温に弱い理由

インディゴは、髪に関わる前のインドキシル段階と、その後の酸化発色のバランスが重要です。

高温で反応を急がせると、ペースト中で酸化が進みすぎたり、副生成物が増えたりして、青味・ブラウン味・濃さがブレることがあります。

そのため、強加温よりも安定した保温が向いています。

インディゴは最初から青い色素が髪にしっかり入る、というより、

インジカン

インドキシル

酸化

インディゴ色素

という流れで発色します。

この中で、髪に関わりやすいのは途中のインドキシルです。

インドキシルが髪のタンパク質側に関わり、その後に酸化してインディゴとして定着します。

つまり理想は、

ペースト中で早く青くなりすぎる前に、髪に触れさせる

髪の上・髪の近くで酸化して色が深まる

です。

インディゴは、途中の色素変化のタイミングがかなり大事です。

強加温で何が起きやすいか

1. 反応が早く進みすぎる

インディゴ原料のインジカンは、水を加えると分解が始まり、インディゴやインジルビンが生成されます。

SCCSの資料でも、インディゴフェラのペーストでは水を加えると変換がかなり速く、温度が高いほど変化速度が速いとされています。

つまり強く温めると、

インドキシルとして髪に関わる前に、ペースト中や表面で酸化が進みすぎる

可能性があります。

この場合、髪に染着する前に色素が“先に固まる”イメージです。

2. 青ではなく、赤紫・濁り方向の副生成物が増える可能性

インディゴの途中物質であるインドキシルは、条件によってインディゴだけでなく、インジルビンやイサチン系の副生成物にも進みます。

分析資料でも、インドキシルの酸化生成物はインディゴだけではなく、非理想条件ではイサチンやインジルビンも形成されると説明されています。

さらに、インディゴ葉の染毛関連資料では、高温やアルカリ条件ではインジルビンが生じやすいという説明もあります。

なので強加温すると、狙った青〜藍だけでなく、

  • 緑っぽい
  • 赤紫っぽい
  • 濁る
  • 暗く沈む
  • ブラウン設計がズレる

というブレが出る可能性があります。

3. ムラになりやすい

強加温は、場所によって温度差が出ます。

  • 表面
  • 内側
  • 根元
  • 毛先
  • 白髪が多い部分
  • 塗布量が厚い部分
  • 塗布量が薄い部分

で反応速度が変わります。

インディゴは温度・水分・酸素・pHで発色がブレやすいので、強加温するとその差が拡大しやすいです。

なので、ヘナは「温めると染まりやすい」寄り。
インディゴは「温めすぎると機嫌を損ねる」寄り。

大きく3つに分ける

染毛剤・染毛料を理解するうえで大切なのは、まず「何で染まっているのか」を分けて考えることです。

同じように髪色が変わって見えても、髪の中で起きている現象は同じではありません。

染色原理は、大きく分けると次の3つに整理できます。

髪の中で色を作るカラー

髪に吸着・浸透させるカラー

植物色素で染めるカラー

    この3つを分けて考えることで、塗布方法、放置時間、加温の有無、施術当日のシャンプー、色持ち、ダメージリスクの考え方が整理しやすくなります。

    1. 髪の中で色を作るカラー

    代表例は、一般的なアルカリヘアカラーです。

    アルカリヘアカラーでは、主に次の反応が同時に進みます。

    アルカリによる毛髪の膨潤
    過酸化水素によるメラニンの分解
    酸化染料の毛髪内部への浸透
    酸化染料の酸化重合による発色

    このタイプは、単に髪の表面に色を乗せるのではなく、髪の内部で染料を発色させます。

    そのため、黒髪を明るくすることができます。

    白髪を染めるだけでなく、黒髪の明度を上げたり、色味を変えたりできるのが特徴です。

    一方で、アルカリ、過酸化水素、酸化染料が関わるため、毛髪と頭皮への負担も考慮する必要があります。

    施術判断では、次の項目が重要になります。

    毛髪履歴
    白髪量
    新生部と既染部の差
    既染部のダメージ
    薬剤のアルカリ度
    過酸化水素濃度
    塗布量
    放置時間
    乳化・シャンプー・後処理

    特に既染部やダメージ毛では、毎回同じ薬剤を毛先まで塗布するのではなく、必要に応じてリタッチ、時間差塗布、低アルカリ処方、低オキシ処方などを選択する必要があります。

    髪の中で色を作るカラーは、色の自由度が高い反面、毛髪内部に化学反応を起こすカラーです。

    2. 髪に吸着・浸透させるカラー

    次に、髪の表面や表層に色素を吸着・浸透させるタイプがあります。

    代表例は、次のようなものです。

    ヘアマニキュア
    HC染料
    塩基性染料
    カラートリートメント
    一部のノンジアミンカラー

    このタイプは、アルカリヘアカラーのようにメラニンを分解して髪を明るくするものではありません。

    基本的には、現在の髪の明るさをベースにして、色素を吸着させたり、浅く浸透させたりすることで色を見せます。

    ヘアマニキュアは、酸性染料が毛髪表面から表層に吸着するタイプです。

    HC染料は、比較的小さい直接染料が毛髪の浅い部分に入り込みます。

    塩基性染料は、プラスの電荷を持つ直接染料で、毛髪のマイナスに傾いた部位に吸着します。

    特にブリーチ毛、褪色毛、酸化ダメージ毛では、毛髪内外にマイナスに傾いた部位が増えやすく、塩基性染料が濃く入りやすい場合があります。

    このタイプの特徴は、メラニンを削らないため、髪を明るくする力はないことです。

    その反面、既に明るくなっている髪、白髪、ブリーチ毛、褪色毛に対しては色味を補いやすいという特徴があります。

    ただし、酸化染料のように毛髪内部で大きな色素を作って固定するわけではないため、シャンプーによって色落ちしやすい傾向があります。

    施術判断では、次の項目が重要になります。

    ベースの明度
    白髪量
    ダメージの程度
    毛髪の親水化
    残留皮膜や油分
    塗布量
    放置時間
    加温の有無
    施術後の洗浄方法

    髪に吸着・浸透させるカラーは、髪を大きく変化させるカラーではなく、現在の髪の状態を利用して色を見せるカラーです。

    そのため、仕上がりはベースの明度と毛髪状態に大きく左右されます。

    3. 植物色素で染めるカラー

    植物色素で染める代表例が、ヘナとインディゴです。

    ヘナは、ローソンという赤橙系の色素が毛髪のケラチンに染着し、白髪をオレンジから赤褐色に見せます。

    インディゴは、青系の植物色素が関わります。

    ヘナのオレンジにインディゴの青を組み合わせることで、ブラウンからダークブラウン方向に色を調整します。

    植物色素による染色は、アルカリヘアカラーのようにメラニンを分解して明るくするものではありません。

    黒髪を明るくする力はなく、白髪や明るい髪に対して色が見えやすいタイプです。

    また、植物色素は施術直後に色が完全に安定するというより、施術後の酸化によって色が深まる場合があります。

    特にヘナやインディゴは、施術当日よりも翌日から翌々日にかけて色が落ち着いて見えることがあります。

    施術判断では、次の項目が重要になります。

    白髪量
    黒髪との比率
    過去のヘナ履歴
    インディゴ履歴
    髪の吸水性
    塗布量
    ペーストの水分量
    放置時間
    保温状態
    ヘナとインディゴの比率
    1回染めか2回染めか

    ヘナは比較的保温との相性がよく、冷えると染まりが鈍くなりやすい傾向があります。

    一方、インディゴは温度、水分、酸素、pH、放置時間の影響を受けやすく、強い加温によって発色がブレることがあります。

    そのため、インディゴを含む施術では、強加温よりも安定した保温を意識する方が扱いやすいです。

    植物色素で染めるカラーは、髪を明るくするカラーではなく、植物色素を毛髪に染着させ、時間とともに色を安定させていくカラーです。

    3分類で考える意味

    この3分類で考えると、それぞれのカラーの違いが整理しやすくなります。

    髪の中で色を作るカラーは、メラニンを削りながら酸化染料を内部発色させるカラーです。

    髪に吸着・浸透させるカラーは、現在の髪の明るさやダメージ状態を利用して、表面から浅い部分に色素を定着させるカラーです。

    植物色素で染めるカラーは、ヘナやインディゴなどの植物色素を毛髪に染着させ、時間とともに色を安定させるカラーです。

    この違いを理解すると、なぜカラーによって放置時間が違うのか、なぜ加温の考え方が違うのか、なぜ当日のシャンプーを避けた方がよい場合があるのかが見えやすくなります。

    染色原理を分けて考えることは、薬剤選定だけでなく、塗布方法、時間管理、加温判断、アフターケア説明の土台になります。

    1. アルカリヘアカラー

    一般的な白髪染め・ファッションカラー

    染色原理

    アルカリヘアカラーは、髪を明るくする作用染める作用が同時に起きます。

    アルカリで髪が膨潤する

    過酸化水素がメラニンを分解する

    小さな酸化染料が髪の中へ入る

    髪の中で酸化重合して大きな色素になる

    大きくなった色素が抜けにくくなる

    つまり、髪の中に染料を入れるというより、髪の中で色素を作るカラーです。

    だから黒髪を明るくできます。
    白髪も染まります。
    ただし、アルカリ・過酸化水素・酸化染料の影響はあります。

    実際の塗布

    基本は乾いた髪に塗布が多いです。

    白髪染めなら、

    フェイスライン・分け目・もみあげなど白髪が目立つ部分から塗布

    根元リタッチは新生部中心

    既染部は必要に応じて時間差、または低アルカリ・低オキシでトーン調整

    毛先は毎回しっかりアルカリカラーを乗せない方が安全

    ファッションカラーなら、

    新生部

    既染部

    毛先

    明度差

    ダメージ差

    で塗り分けます。

    放置時間

    一般的には15〜30分前後

    白髪染めはしっかり置くことが多く、ファッションカラーは薬剤設計によりますが、白髪染めもスピーディー(早染め)タイプもあります。

    日本ヘアカラー工業会も、酸化染毛剤は色持ちが長い反面、酸化染料によるかぶれリスクがあり、毎回48時間前のパッチテストが必要と説明しています。

    加温の有無

    基本は自然放置。

    加温は絶対NGではない商品もありますが、現場的には注意です。

    理由は、

    頭皮刺激が出やすい

    色が沈みやすい

    根元だけ反応が進みやすい

    ダメージ毛が過反応しやすい

    退色や質感低下につながることがある

    からです。

    特に白髪染めで「染まりが悪いから加温」は、髪質によっては荒っぽいです。

    加温よりも、薬剤選定・塗布量・放置時間・根元の密着・前処理・中間処理・後処理の方が大事です。

    施術当日のシャンプー

    サロンでは、必ずシャンプーします。

    理由は、

    残留染料・未反応染料・残留アルカリ・残留過酸化水素

    のためです。

    ケミカだと色々対策してありますので、あくまで一般論となります。

    ただし、お客様が帰宅後にもう一度シャンプーするのは、できれば避けたいです。

    目安は、

    当日はサロンで洗ったら、それ以上洗わない。
    可能なら24時間程度は強いシャンプーを避ける。

    です。

    色が完全に髪の中で未完成だから、というより、髪のpH・表面状態・染料の安定を乱さないためと考えるとよいです。

    2. ヘアマニキュア

    酸性染料タイプ

    染色原理

    ヘアマニキュアは基本的に酸性染料です。

    日本化粧品工業会も、ヘアマニキュアは酸性染料を染毛に利用した製品と説明しています。

    原理は、

    髪表面〜表層に酸性染料が吸着

    キューティクル周辺に色が乗る

    黒髪は明るくならない

    白髪や明るい髪には色が見える

    です。

    ヘアカラーのように、メラニンを削りません。
    髪の中で酸化染料を作るわけでもありません。

    イメージは、髪の表面に色の薄いステンドグラスを貼る感じです。

    実際の塗布

    ヘアマニキュアは、頭皮につけない塗布が基本です。

    工程は、

    プレシャンプー

    タオルドライ

    フェイスライン・耳・首にプロテクトクリーム

    頭皮につけないようにゼロテク塗布

    コームで均一に伸ばす

    ラップ

    加温または自然放置

    クーリング

    プレーンリンス

    必要に応じてシャンプー

    ナンバースリーのヘアマニキュア製品でも、タオルドライ後にプロテクトクリームを塗り、地肌につかないよう塗布し、40〜50℃で10〜15分加温、5分程度クーリング、プレーンリンスという流れが示されています。

    放置時間

    一般的には、

    10〜20分前後

    が目安です。

    加温する場合は、

    加温10〜15分+クーリング5分

    くらいが多いです。

    製品によっては自然放置で20分前後の場合もあります。

    加温の有無

    加温することが多いです。

    理由は、

    染料のなじみをよくする

    キューティクル周辺への吸着を助ける

    染まりを安定させる

    ためです。

    ただし、加温後のクーリングも大事です。

    温めっぱなしではなく、冷ましてから流すことで、色素流出を抑える考え方です。

    施術当日のシャンプー

    施術後はしっかりプレーンリンスし、必要に応じて軽くシャンプーします。

    帰宅後にもう一度シャンプーすると色落ちしやすいため、当日は避けるのがおすすめです。

    お客様説明なら、

    今日はサロンで流してありますので、ご自宅でのシャンプーは明日以降がおすすめです。

    でよいです。

    3. HC染料

    HC染料と塩基性染料は、単独でメニュー名になるというより、カラートリートメントやノンジアミンカラーなどに配合される直接染料として考えるとわかりやすいです。

    染色原理

    HC染料は、酸化しない直接染料です。

    特徴は、

    分子が比較的小さい

    髪の表層〜浅い内部に入りやすい

    酸化重合しない

    カラートリートメントやノンジアミンカラーに使われやすい

    です。

    ホーユーのカラートリートメント説明では、塩基性染料は毛髪表面へ吸着し、HC染料は毛髪内部へ浸透する染料と説明されています。

    ざっくり言えば、

    HC染料は、小さい色つき粒子がキューティクルのすき間から浅く入る染料

    です。

    実際の塗布

    HC染料単体というより、実際には、

    カラートリートメント

    カラーシャンプー

    塩基性カラー

    ノンジアミンカラー

    香草カラー色葉のような植物染料+HC染料系

    に配合されます。

    塗布は商品形態で変わります。

    カラートリートメント系なら

    シャンプー後、タオルドライ

    水気をしっかり取る

    染めたい部分に多めに塗布

    コームで均一化

    5〜20分放置

    よく流す

    サロンの染毛料として使うなら

    プレシャンプーまたは軽く汚れ除去

    タオルドライ〜ドライ状態で塗布

    白髪部・褪色部にしっかり乗せる

    ラップ

    自然放置または軽い加温

    流し

    放置時間

    一般的には、

    5〜20分前後

    です。

    白髪ぼかしや濃い色味なら長め。
    カラーシャンプーなら短めです。

    加温の有無

    商品次第です。

    HC染料は酸化反応ではないので、加温は「反応促進」というより、

    染料のなじみ

    表層への入り

    放置時間短縮

    を狙う意味合いです。

    ただし、カラートリートメント系は加温しない前提の商品も多いです。

    施術当日のシャンプー

    流しは必要です。
    ただし、帰宅後のシャンプーは色持ち重視なら避けたいです。

    HC染料は酸化染料のように内部で大きく固定されるわけではないので、洗浄で落ちやすいです。

    4. 塩基性染料

    染色原理

    塩基性染料は、プラス電荷を持つ直接染料です。

    髪はダメージや酸化履歴があると、マイナスに傾いた部位が増えやすくなります。

    そこにプラスの塩基性染料が吸着します。

    つまり、

    髪のマイナス部位に、プラスの染料がくっつく

    という原理です。

    塩基性カラーについて、塩基性染料は髪表面のマイナスイオンと結合して染色し、脱色できないため明度アップはできないと説明されています。

    実際の塗布

    塩基性染料も、単独メニューというより、

    カラートリートメント

    カラーバター

    ビビッドカラー

    カラーシャンプー

    塩基性カラー

    として使うことが多いです。

    基本は、

    事前にベース明度を作る

    シャンプーまたは汚れ除去

    タオルドライ、またはドライ

    染料をしっかり塗布

    コーミングで均一化

    放置

    しっかり流す

    です。

    特に重要なのは、ベース明度です。

    黒髪に塗っても、色はほぼ見えません。
    ブリーチ毛、褪色毛、白髪には見えます。

    放置時間

    一般的には、

    5〜30分前後

    です。

    ビビッド系はしっかり置くこともあります。
    カラートリートメント系は5〜10分程度の商品もあります。

    加温の有無

    商品次第です。

    加温する場合は、

    発色を濃くしたい

    放置時間を短縮したい

    染料のなじみをよくしたい

    という目的です。

    ただし、強加温しすぎると色が入りすぎたり、ムラが強調されたりすることがあります。

    施術当日のシャンプー

    サロンでは流します。
    ただし、帰宅後のシャンプーは避けた方がよいです。

    塩基性染料は吸着型なので、シャンプー回数が増えるほど落ちやすいです。

    お客様説明なら、

    今日は色素が表面に落ち着いている段階なので、できればご自宅でのシャンプーは明日以降がおすすめです。

    がわかりやすいです。

    5. 香草カラー

    ここは一番注意です。

    香草カラーは一つの染料分類ではなく、商品シリーズ名です。酸化染料を使うタイプと、酸化染料を使わず植物染料とHC染料で染めるタイプがあります。

    そのため「香草カラーはどう染まるのか?」ではなく、「どの香草カラーか?」で原理が変わります。

    大きく分けると、

    酸化染料タイプ

    植物染料+HC染料タイプ

    ヘナ・インディゴ寄りタイプ

    があります。

    ランドプランニングアソシエーツのFAQでは、香草カラーMD・LU・GREYは酸化染料を使用しており、ジアミンアレルギーの方には使用できないと説明されています。

    一方、香草カラー色葉は酸化染料を使わず、天然植物染料とHC染料を組み合わせた製品と説明されています。

    5-1. 香草カラー・酸化染料タイプ

    染色原理

    ノンアルカリジアミンタイプの場合、

    アルカリカラーほどメラニンを削らず、酸化染料で白髪や既染部を染める

    という理解です。

    通常のアルカリカラーとの違いは、

    黒髪を明るくしにくい

    白髪や明るい部分には色が出る

    アルカリ膨潤や過酸化水素脱色に頼りにくい

    でも酸化染料タイプならジアミンリスクは残る

    です。

    実際の塗布

    一般的には、

    粉末を専用水または水で溶く

    作り置きせず、すぐ塗る

    白髪部分からしっかり塗布

    塗布量は多め

    ラップ

    自然放置または商品指定の加温

    乳化・流し・シャンプー

    ランドP.A.のFAQでも、作り置きせず塗布前に調合し、すぐ塗布するよう説明されています。

    酸化染料の反応が進むと染まりに影響するためです。

    放置時間

    一般的には、

    20〜30分前後

    が目安です。
    白髪量や髪質で変わります。

    加温の有無

    商品指定によります。

    ノンアルカリ系は染まりを補う目的で、軽い加温を使うケースもあります。
    ただし、酸化染料タイプなら頭皮刺激や反応ムラに注意です。

    施術当日のシャンプー

    サロンでは洗います。
    帰宅後は避けた方がよいです。

    5-2. 香草カラー・植物染料+HC染料タイプ

    染色原理

    香草カラー色葉は、公式に酸化染料不使用で、天然植物のナンバンアイ葉・ヘナの染料とHC染料を組み合わせた製品と説明されています。

    さらに、ヘナのローソン、インディゴ、HC染料が染着に関わると説明されています。

    つまり原理は、

    ヘナ由来のローソン

    ナンバンアイ由来のインディゴ系色素

    HC染料

    の複合です。

    これは通常の香草カラー酸化染料タイプとは別物です。

    実際の塗布

    粉末を専用水などで溶く

    白髪部分にしっかり塗る

    ラップ

    放置

    流し

    必要に応じてシャンプー

    植物染料寄りなので、塗布量と密着がかなり大事です。
    薄塗りだと染まりが甘くなりやすいです。

    放置時間

    一般的には、

    30分前後〜長め

    になりやすいです。
    植物染料が絡むため、通常のアルカリカラーより読みづらいです。

    加温の有無

    商品指定によります。
    保温は有効なことがあります。

    ただし、インディゴ系は高温にしすぎると発色がブレることもあるので、強い加温より安定した保温の方が無難です。

    施術当日のシャンプー

    サロンでは流します。
    帰宅後はできれば避けたいです。

    植物染料系は施術直後から24〜48時間で色が深まることがあるため、当日何度も洗うのは色持ちには不利です。

    6. ヘナ

    染色原理

    ヘナの主色素はローソンです。
    ローソンが髪のケラチンに染着し、オレンジ〜赤褐色に見えます。

    ヘナのローソンは髪のケラチンとゆっくり結びついて発色し、染めた直後から1〜2日かけて空気酸化しながら深みが出ると説明されています。

    つまり、

    ヘナペーストからローソンが出る

    ローソンが髪に浸透・染着

    ケラチンと結びつく

    空気酸化で色が深まる

    という流れです。

    黒髪を明るくする力はありません。
    白髪はオレンジに出ます。

    実際の塗布

    基本工程は、

    ヘナ粉をぬるま湯で溶く

    マヨネーズ〜ヨーグルトくらいの粘度にする

    頭皮からたっぷり塗る

    白髪部分は特に厚めに塗る

    ラップで密閉

    保温(必要に応じて)

    長めに放置

    しっかり流す

    ヘナは薄塗りNGです。
    カラー剤のように伸ばすというより、泥パックのように置く感覚です。

    放置時間

    一般的には、

    45分〜120分程度

    です。

    天然ヘナをじっくり置く考え方では2〜3時間以上置くケースもありますが、長く置けば必ず良いというより、目的・髪質・設計によって変わります。

    加温の有無

    強加温というより保温が有効です。

    ヘナは冷えると染まりが鈍くなりやすいです。
    ラップ、タオル、遠赤などで温度を安定させると染まりやすいです。

    ただし、熱で無理やり反応させるというより、植物色素が働きやすい環境を保つ感じです。

    施術当日のシャンプー

    考え方が分かれますが、色持ち重視なら、

    当日のシャンプーは避ける。
    できればお湯でしっかり流すだけ。

    が無難です。

    理由は、ヘナは施術後に酸化で色が深まるためです。

    洗浄力の強いシャンプーをすぐ使うと、表面に残った色素や油分環境を落とし、色の育ちに不利になる場合があります。

    ただし、匂いや粉残りが気になる場合は、サロンでは軽く洗うこともあります。

    7. インディゴ

    染色原理

    インディゴは、ヘナとは違って青系の植物染料です。

    ナンバンアイなどの植物に含まれる成分が変化し、インディゴ系色素として染着します。

    香草カラー色葉の公式説明でも、ナンバンアイ葉に含まれる成分が毛髪内部に浸透し、インディゴに変化して染着すると説明されています。

    インディゴ単品では、

    緑っぽい

    青っぽい

    藍色っぽい

    グレーっぽい

    方向に出ることがあります。

    白髪を茶色にしたい場合は、ヘナと組み合わせます。

    ヘナのオレンジ

    インディゴの青

    ブラウン〜ダークブラウン

    です。

    実際の塗布

    使い方は2パターンあります。

    1回染め

    ヘナとインディゴを混ぜて塗る方法。

    ヘナ+インディゴ調合

    ぬるま湯で溶く

    すぐ塗布

    ラップ

    放置

    流す

    メリットは時短。
    デメリットは白髪がオレンジに寄ったり、染まりが浅くなることがあること。

    2回染め

    先にヘナ、後からインディゴ。

    ヘナで白髪をオレンジに染める

    流す

    インディゴを重ねる

    オレンジを茶〜黒寄りにする

    しっかり白髪を落ち着かせるなら、2回染めの方が安定しやすいです。

    放置時間

    インディゴは、

    20〜60分前後

    が多いです。

    長く置けばよいとも限りません。
    置きすぎると暗く沈む、濁る、緑っぽさが残ることもあります。

    加温の有無

    インディゴは強い加温に注意です。

    ヘナは保温が有効ですが、インディゴは温度・水温・時間で発色がブレやすいです。

    現場的には、

    熱すぎるお湯で溶かさない

    強加温しすぎない

    冷えすぎも避ける

    が良いです。

    施術当日のシャンプー

    できれば避けたいです。

    インディゴは施術後に酸化で色が変化します。
    当日はお湯でしっかり流し、シャンプーは翌日以降が無難です。

    特にインディゴ直後は、最初に緑っぽく見えても、翌日〜翌々日に落ち着くことがあります。

    まとめ

    アルカリカラー

    髪の中で色を作り、メラニンも削るカラーです。

    乾いた髪に塗布し、20〜35分自然放置。加温は基本しません。

    施術後はサロンで必ずシャンプーしますが、帰宅後のシャンプーは色持ちのため避けるのがおすすめです。

    ヘアマニキュア

    髪の表面〜表層に酸性染料を吸着させるカラーです。

    シャンプー後タオルドライし、頭皮につけないよう塗布。

    10〜20分、または加温10〜15分+クーリング。帰宅後のシャンプーは避けたいです。

    HC染料

    小さな直接染料が髪の浅い部分に入り込むカラーです。

    カラートリートメントやノンジアミンカラーに多いです。

    5〜20分程度。加温は商品次第。シャンプー回数で落ちやすいので当日は洗いすぎ注意です。

    塩基性染料

    髪のマイナス部位に、プラスの染料が吸着するカラーです。

    ブリーチ毛・白髪・ダメージ毛に色が見えやすいです。

    5〜30分程度。加温は商品次第。当日シャンプーは色持ち的には避けたいです。

    香草カラー

    商品によって原理が変わります。

    酸化染料タイプならジアミンカラー。

    色葉系なら植物染料+HC染料。粉を溶いてたっぷり塗布し、20〜40分程度が目安。施術後はサロンで流しますが、帰宅後のシャンプーは避けるのが無難です。

    ヘナ

    ローソンがケラチンに染着する植物カラーです。

    たっぷり泥パックのように塗り、45〜120分程度。強加温より保温。

    施術後はお湯でしっかり流し、当日のシャンプーはできれば避けたいです。

    インディゴ

    青系植物色素が酸化しながら発色するカラーです。

    ヘナと組み合わせてブラウン〜ダークブラウンに寄せます。

    20〜60分程度。強加温は注意。発色が翌日以降に落ち着くため、当日シャンプーは避けたいです。

    「髪の中で作るカラー」と「髪に吸着させるカラー」と「植物色素で育てるカラー」の3つに分けると、迷子になりません。