痛んだ髪にはトリートメント。
痛ませたくないからトリートメント。
ノンアルカリで痛みなし。
ヘッドスパでトリートメント。
トリートメントの話題はつきません。本来、美容室や家庭でのトリートメントの意味合いは「髪や頭皮をケアをする」ことだと思うのですが、そんなケアするはずのトリートメントが実は髪を痛ませているという可能性もあるのですね。今日はそんな美容室で行うトリートメントについて考えてみましょう。
トリートメントを科学する
|そもそもケアとは?
以下wikiより抜擢
「ケア」という意味合いは、実は幅広いのですね。人から動物からモノまですべてを大切にすることがケアということなんですね。つまり、美容室で例えるなら、カットもケアになり、パーマもケアであり、その美容室のすべてがケアということに本来はなるはずなのです。
|トリートメントとは?
1−1 定義
一昔前だと、トリートメントというとシャンプー後にするリンス、コンディショナー、ヘアパックなどの自宅でのヘアケア・アイテムのひとつとしてありましたが、近年ではリンスなどはあまり見かけなくなりましたね。そして、トリートメントというと洗い流さない(アウトバス)タイプやスタイリング剤に含まれているものもはじめ、美容室で行う本格的(?)な施術まで幅広くつかわれる用語になりました。こうなるとその範囲の「どこまでがトリートメントという定義になるのか」がとても難しくなってきてしまっています。
1−2 背景
なぜここまで「その定義」が複雑になってしまったのでしょうか?それは時代背景にあると思っています。髪のオシャレを楽しむことがもはやあたり前になり、パーマやカラーなどの普及によるケミカルダメージ、アイロンやコテなどをつかって髪型を楽しむことによる高熱ダメージ、デザインの幅が広がると同時に毛髪のダメージも増加しました。つまり、髪のオシャレにダメージはつきものといったところでしょう。
ダメージレスという言葉があるように薬剤をはじめ技術は日々進化はしています。私たちは誰一人として髪を痛めようと思ってデザインしている人はいないと思います。それではどうしてそれでもダメージを気にする方が増えているのでしょうか?
1−3 環境
それは、ダイエットやファーストフードなどをはじめとする食生活の変化、お風呂に入らずにシャワーにしたり、PC・スマフォなどの生活スタイルの変化など、私たちをとりまく環境の変化です。そしてそれは、若くして薄毛や細毛、白髪に悩む人たちが増えているということにつながっていきます。
細毛や軟毛の髪が増えているということはダメージしやすい髪質になっているということです。ファッションを楽しむためのダメージ対策も考えなくてはいけませんが、こういった自身の髪質自体の変化にも気をつけなければならないのです。
1−4 予防
環境の変化などその対策として、私たちは「予防」ということを考えます。「今までは大丈夫だったのに…」こうならないために自身で「色々なことを日々ケアしよう。」と思うのです。病気になる前に予防しよう。太らないように予防しよう。ダメージしないように予防しよう。つまり、「予防=トリートメント」という概念が複雑化を招く原因になっているのです。
もちろん予防することは大切なことです。そして、予防するということは学習することです。今の時代は学習することを調べようと思えば簡単になりました。それはテレビやインターネットの普及です。そしてこの普及に伴い、便利な世の中になった反面、その生涯もうまれるようになっているのです。
1−5 情報
トリートメントという言葉が複雑化しているのには、このように様々な要因があるからです。そしてネットの普及がその影響を加速化させました。本来情報は正しくなければいけないはずですが、正しいことばかりではないのが今の時代なのですね。「科学に絶対はない」というように、今までよしとされていたことが次の日に変わることがあるのも事実ですが、人の心理を欺くような情報は「絶対にあってはならない」と思います。
|トリートメントが髪を痛める?その理由
ではどうして本来ケアするはずのモノが髪を痛ませてしまうのでしょう。もちろんパーマやカラーなどのケミカル処理は大なり小なり髪にダメージを与えてしまいます。そこでダメージ予防にトリートメントをする。という行為につながると思いますが、その行為が実はより髪を痛ませる行為につながっている可能性があるのですね。
トリートメントの種類
1−1 ステップ式反応型
一言でトリートメントといっても内容は様々です。当店でしているトリートメントなんていつやってもらったのか、多分わからないコトが多いです(汗)。そして、最近の他店さんの事情はよくわからないが本音だけど、多くはやはり「ステップ式」だろうと思います。一番最後にやるトリートメントのタイプですね。
このステップ式は非常によくできています。原理はどこもほとんど同じような感じで(メーカーさんには怒られるかな?)、トリートメントを髪に重ねていく行為です。例えば、はじめに内部補充。次に外部補修。2ステップで終わるものもあれば、5種類つけるモノもあるでしょう。髪質にあわせて調合します。っていうものこんな感じでしょう。
髪は痛むと内部の栄養がなくなり、外のキューティクルの損傷にまで影響していきます。ですから、「髪の内部と外部を補いましょう。」ということです。流行のカチオンやアニオンのコンプレックスをはじめ、様々な結合や分散力などの手法を用いて髪にトリートメントを定着させることを目的として行います。誰がやってもそこまで失敗がなく、その効果を実感しやすいのが特長です。
1−2 理論式応用型
上記はある程度のマニュアルで行うことが出来ることに対し、こちらはどちらかというとマニュアル化しづらい髪質対応型です。ステップ式にも理論があるのはもちろんなのですが、この「しづらい」というのがポイントで、先ほどのステップ型は極端にいえば「やればすぐに結果がでるモノ」であることに対し、こちらはやり方や使うモノにもよりますが、「やっても結果がわからないモノ」である場合もあるのです。
例えばカラー後の「アルカリ除去」がそれにあたります。多くの薬剤はアルカリ性です。髪は弱酸性といわれているのでそのまま髪がアルカリ性だとその後に様々な障害を引き起こすので、このアルカリを除去することを考えなくていけないのですが、普通に除去してもトリートメントした感じはしません。でも除去しないと髪は徐々にダメージしていく原因になってしまうのです。これがその場ではわからないトリートメントなのです。
質感(効果)をいう落とし穴
1−1 被膜
トリートメントをしたという一番の実感はやはり手触りだろうと思います。この手触り感という風合いをつくっているのはほとんど髪の外部です。シリコン(正確にはシリコーン)があれだけたたかれているのはシリコーンが外部の作用に適していて、多様化されているからだと思っています(シリコーンが悪い訳ではない)。先ほどのステップ式などの多くの効果はこのシリコーンをはじめとするものです。全てのシャンプーとは言い切れませんが、シャンプーにだってポリマーなど感触をよくする外部に作用するものは必ず入っています。
ここからは外部に作用するトリートメントを「被膜」と呼びます。皮膜はシリコーンをはじめポリマーなど様々あるからです。
髪がもともと持っている被膜はキューティクルといってもいいでしょう。髪はキューティクルがあるから丈夫で、キューティクルがなければカラーの色はすぐに抜けます。また、「髪はダメージすると髪のキューティクルが損傷し内部流出がおこり…」とあるようにキューティクルはとても大切な天然の被膜なのです。
1−2 例)パーマやカラーとトリートメント(被膜)の関係
先ほどの説明にあったように、手触りとして髪の外部に作用するモノは被膜です。髪のキューティクルの被膜は水を通しますね。すすぐと髪は水を吸って濡れます。乾かせば水吐き出します。これを「髪の呼吸」と呼んでいます。でも仮に、擬似的につくった被膜がモノを通さないくらいの被膜をつくってしまったら髪はどうなってしまうのでしょう。
パーマやカラーなどの薬剤は、数回シャンプーしただけではとれない厄介なダメージ成分があります。先ほどの残留アルカリの話もそうですね。他にもパーマに含まれる還元剤と呼ばれるパーマの主剤も同じです。この還元剤は実はカラーにも含まれています(カラー剤には主成分としてではなく、助剤として薬剤の効果を助けるため)。
こういった成分は何かをするためには必要だから入っているのですが、その何かが終わったら本来とるべきものです。しかし、手触りを優先するために過剰に被膜をつくって髪の呼吸ができなくなるくらいになってしまったら、髪の中に残留した本来の役目を果たしたその成分が髪の中で悪さをするようになるのです。
例えば、カラーしてから時間が経つとすごく明るくなってしまうケース。もちろん使用するカラー剤やもともとの髪の状態、自宅で使用するシャンプーにもよるのですが、多くの理由は、髪を明るくする成分が過剰な被膜によって髪に残留しやすい状態をつくっているからです。こういったトリートメントによる被膜は、時間が経つと髪が明るくなるだけではなく、ダメージも同時に与えているのです。
1−3 ホームケアにも罠が
サロンでのトリートメントでケアしているつもりがダメージにつながるように、ホームケアも同じことがいえます。先ほどと同じように過剰な被膜を家でつくってしまったら残留するダメージ成分は髪からとれませんし、その被膜だらけの髪がパーマやカラーなどの薬剤をはじきやすくして、うまく作用せず、必要以上のダメージを与えてしまう原因にもなるのです。
ネットの普及で先ほどあった本来サロンで正しく使うはずのトリートメントが自身でも簡単に購入できる時代になりました。しかし、その作用がどういったものかの判断ができず、逆効果を生んでしまう可能性があることも、もうおわかりですね。商品や成分は正しく使ってこそ、その効果を発揮するのです。ダメージを気にするからといってトリートメント(被膜)をたくさん重ねることで、かえって髪にダメージをさせてしまうということはこうゆうことです。
|まとめ
トリートメントやヘッドスパは本来髪や頭皮などをケアするものです。しかし、その効果の裏には時として、「トリートメントが髪を痛める」ような行為にもなってしまうケースもあるのです。その理由はこのような仕組みからでてきたのですね。
つまり、トリートメントが髪を痛める訳ではなく、髪が呼吸できないくらいの被膜をつくることで髪に障害がおき、2次的(いらない)ダメージをつくってしまう恐れがあるということです。
ちなみに過剰な被膜でなくても、毛髪に対する残留性が高い。つまり効果を感じやすいモノはメリットでもあり、デメリットにもなります。それは残留性しやすいから取り去るのも難しいということです。このバランスは非常に難しいテーマです。
いかがでしたか?よくも悪くも被膜は被膜なのです。薬は上手に使用すれば良薬にも劇薬にもなります。これと同じこともトリートメントにいえるのです。いつも最後は同じですね。
商品や成分は正しく使ってこそ、その効果を最大限に発揮するのです
それではステキなヘアライフを!
浦和の美容室エナ 「美」から生まれるチカラ
進化する縮毛矯正,デジタルパーマ,カラーでお手入れしやすいヘアデザインを心がけています。
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