はじめに
第5章「WordPressとは何か?」では、WordPressとは、
ホームページを作ったり、管理したり、更新したりするための仕組み
だと説明しました。
ところが、WordPressについて調べていると、
- WordPress.com
- WordPress.org
という、よく似た2つの名前が出てきます。
初めて見ると、
「WordPressには2種類あるの?」
「どちらを使えばいいの?」
と迷いやすいところです。
最初に結論を言うと、
まったく別の2種類のWordPressが存在する、という理解は少し違います。
どちらも、基本となるWordPressというソフトウェアを使っています。
大きな違いは、
ホームページを置く場所や、その管理を誰が用意するのか
です。
今回は、この違いを整理していきましょう。
WordPress.comとWordPress.orgの違い
WordPress.comとは?
WordPress.com は、WordPressを使ったホームページを作るためのサービスです。
WordPress.com側が、ホームページを公開するためのサーバー環境を用意してくれます。
そのため、自分で別のレンタルサーバーを探して契約しなくても、WordPressを使い始めることができます。
簡単にいうと、
WordPressを動かす場所までまとめて用意してくれるサービス
と考えると分かりやすいでしょう。
サーバーの管理や、技術的な部分の多くをサービス側に任せられることが特徴です。
WordPress.orgとは?
一方、
WordPress.org
は、WordPressというオープンソースのソフトウェアを公開しているWordPressプロジェクトの公式サイトです。
こちらの方法では、WordPressを動かすためのサーバーを自分で用意します。
つまり、
①レンタルサーバーを契約する
②そのサーバーでWordPressを使えるようにする
③WordPressでホームページを作る
という形です。
このように、自分で用意したサーバーでWordPressを使う方法は、
セルフホスト型WordPress
などと呼ばれることがあります。
「WordPress.orgでホームページを作る」という表現について
初心者向けの記事では、
「WordPress.comとWordPress.orgのどちらで作るか」
と説明されることがよくあります。
ただし、少し正確にいうと、
WordPress.orgそのものが、WordPress.comのようにホームページを預かってくれるサービスというわけではありません。
WordPress.orgは、WordPressソフトウェアや関連情報が公開されている場所です。
実際にホームページを公開するときは、レンタルサーバーなどを別に用意して、そこでWordPressを動かします。
このシリーズでも今後、
「WordPress.orgを使う」
という表現をすることがあるかもしれません。
その場合は、
自分でレンタルサーバーを用意してWordPressを使う方法
という意味だと考えてください。
2つの違いを簡単に比べてみよう
大きな違いを簡単に整理すると、次のようになります。
| WordPress.com | 自分でサーバーを用意するWordPress | |
| サーバー | サービスに含まれる | 自分でレンタルサーバーなどを契約する |
| WordPressの準備 | サービス側で用意される | 契約したサーバーで設定する |
| サーバー管理 | 多くをサービス側に任せられる | 契約するサーバー会社や自分で管理する部分がある |
| 自由度 | 契約プランやサービスの仕様による | サーバー環境やWordPressを比較的自由に選べる |
| 費用 | 無料・有料の選択肢がある | WordPressソフトウェア自体は無料だが、通常はサーバー代などが必要 |
大切なのは、
「無料か有料か」という違いだけではない
ということです。
WordPress.comにも無料・有料の選択肢があります。
自分でサーバーを用意する場合も、WordPressというソフトウェア自体は無料で利用できますが、ホームページを公開するためのレンタルサーバーやドメインなどには費用がかかるのが一般的です。
WordPress.comは自由にカスタマイズできないの?
ここも、古い記事などを読むと少し注意が必要です。
以前は、
「WordPress.comではプラグインを入れられない」
「自由なテーマを使えない」
と単純に説明されることがありました。
しかし、現在のWordPress.comでは、契約するプランによってプラグインやカスタムテーマを利用できる仕組みがあります。
そのため、
WordPress.com=何も自由にできない
と覚えるのは正確ではありません。
違いは、機能の有無だけでなく、
どこまでサービス側に任せるのか、どこまで自分で管理するのか
という視点で考える方が分かりやすいでしょう。
このシリーズではどちらを使うの?
このシリーズでは、
自分でレンタルサーバーを契約し、そこにWordPressを設置する方法
で進めます。
理由は、実際に自分のホームページを作り、あとから設定や機能を追加しながら育てていく方法を学ぶためです。
今後は、
- レンタルサーバーを選ぶ
- ドメインを用意する
- WordPressを設置する
- テーマを設定する
- 必要なプラグインを追加する
- 自分でページや記事を作る
という流れを実際に進めていきます。
このシリーズで使用するレンタルサーバーは、
Xserver(エックスサーバー)
を予定しています。
そのため、実際の契約や設定画面に入ったら、Xserverの画面を見ながら一緒に進めていきます。
Xserverを使うならWordPress.orgからダウンロードするの?
ここで、一つ疑問が出るかもしれません。
「WordPress.orgを使うなら、WordPress.orgのサイトからソフトウェアを自分でダウンロードするの?」
という疑問です。
必ずしもそうする必要はありません。
現在の多くのレンタルサーバーには、WordPressを簡単に設置するための機能があります。
そのため、実際にはレンタルサーバーの管理画面からWordPressを設置できる場合があります。
つまり、
WordPress.orgのサイトから自分でファイルをダウンロードしなければ始められない、というわけではありません。
このあたりは、実際にXserverでWordPressを設置するときに画面を見ながら確認していきます。
どちらが「正解」というわけではない
WordPress.comと、自分でサーバーを用意するWordPress。
どちらかが必ず優れているというわけではありません。
何を作りたいのか。
どこまで自分で管理したいのか。
どれくらい自由にカスタマイズしたいのか。
どこまで技術的な部分をサービス側に任せたいのか。
目的によって選択は変わります。
このシリーズでは、
自分でホームページを作り、仕組みを理解し、あとから自分で育てられるようになる
ことを目的としているため、レンタルサーバーを自分で用意する方法を選びます。
今回のポイント
- WordPress.comとWordPress.orgは、まったく別のWordPressソフトウェアというわけではない
- WordPress.comは、WordPressを動かすサーバー環境まで含めて提供するサービス
- WordPress.orgは、WordPressのオープンソースプロジェクトやソフトウェアの公式サイト
- 自分でレンタルサーバーを用意してWordPressを使う方法は、セルフホスト型WordPressなどと呼ばれる
- 「WordPress.com=無料、WordPress.org=有料」と単純に覚えない
- WordPress.comの機能や自由度は契約プランによっても変わる
- このシリーズでは、XserverにWordPressを設置する方法で進める
今回の視点
ホームページ作りでは、
似た名前だから同じもの 無料だから初心者向け 有料だから高機能
とは限りません。
WordPress.comとWordPress.orgも、名前だけを見て覚えようとすると混乱します。
大切なのは、
「誰がサーバーを用意し、誰がどこまで管理する仕組みなのか」
という役割を見ることです。
仕組みが分かれば、サービスや料金プランが将来変わっても、自分で違いを考えられるようになります。
Part 1|ホームページとWordPressの仕組みを知る

